ヘルムモータースポーツ

SUPER TAIKYU ROUND 3SUGO2023.7.8-9
FIA-F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP

SUPER TAIKYU
ROUND 3
RACE REPORT2023.7.8-9

完璧なレース運びで、一時はトップまで上り詰めた決勝
まさかのトラブルで2位に甘んじるも、トップの背中は見えてきた!

チーム創設から4年目となる「HELM MOTORSPORTS」は、今年もスーパー耐久、FIA-F4に挑む。今季3戦目となるスーパー耐久は、スポーツランドSUGOで「SUGOスーパー耐久3時間レース」として開催される。ST-Xクラスで「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」をドライブするのは、鳥羽豊と平木湧也、平木玲次の3人だ。

前回の「富士24時間」ではポールポジションを獲得し、決勝でも序盤はトップを快走、まさに順調そのものだった。全体的なレース展開も、平穏に進んでいた。ところが、あたりがすっかり暗くなって、5時間を経過したあたりからアクシデントが多発。10時間を過ぎると、魔の手は「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」にも! ブレーキトラブルに見舞われたのだ。

挽回しようにも、レースはより激動の連続となり、赤旗が出されて1時間半ほど中断されたほど。結局、手も足も出せぬまま、4位という結果に甘んじることとなった。

しかし、大量得点の可能なレースで完走を果たせたことは、今後に大きな福音をもたらすかもしれない。現在、ランキングは3位だが、トップとの差はわずか11ポイント。その上、まだウェイトハンデを抱えずにもいる。「ピンチをチャンスに!」 チームとして今の心境は、まさにそれに尽きる。

SUPER TAIKYU
ROUND 3
QUALIFYING【公式予選】7月8日(土)
【天気】曇りのち雨
【路面状況】ドライ~セミウェット

前回からドライタイヤのみコントロールタイヤを供給していたブリヂストンだが、今回からはウェットタイヤも。おあつらえ向きに土曜日午前に行われたフリー走行が雨となり、予選や決勝でぶっつけ本番にならずに済んだ。

さて、今回は2グループ開催の3時間レースとあって、金曜日の専有走行、土曜日午前のフリー走行、いずれもグループごとの走行となった。昨年のSUGOは雨に翻弄され続け、満足にセットアップも進められなかったから、トラフィックに悩まされずに済んだのは何より。金曜日まではしっかりドライコンディションも保たれ、こと決勝想定のセットアップは、昨年とは比べ物にならないほど順調に進んでいた。

できればドライで走りたい予選だったが、思いは天に伝わったのか、Aドライバー予選は一部にまだウェットパッチを残していたが、走行ライン上はしっかり乾いていた。鳥羽は計測2周目からアタックを開始し、いきなり1分24秒台へ。コンディションも上々と分かったことで、そのまま1分23秒140、1分23秒126、そして1分23秒088と着実にタイムを刻んでいく。その後、1周のクールダウンを挟んで周回をなおも重ね、1分23秒台を連発するが、タイヤはピークを過ぎており、さらなる短縮には至らなかった。それでもトップからコンマ2秒差の3番手に。

ところが、この後に気まぐれな天気は、平木湧也が走るBドライバー予選でまた雨を降らせてしまう。全車ドライタイヤで走行するも、なかなか発動せず。ST-Zクラスがポールポジションについた、昨年の再現かと思われたが、計測5周目にようやくタイヤに熱が入って、1分22秒814をマーク。そして、最後の一本勝負に! 平木湧也は1分22秒079をマークし、4番手ながらトップとの差をコンマ6秒ほどに留めたこともあり、鳥羽との合算タイムでは3番手。「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」は2列目、インサイドグリッドから決勝に臨むこととなった。

なお、この後に行われたCドライバー予選は再びドライに転じ、平木玲次がユーズドタイヤでの走行にも関わらず、1分23秒561を記録して2番手につけていた。

SUPER TAIKYU
ROUND 3
QF
COMMENTS

  • DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    もう完璧にドライでした。車はすごく良かったし、セットアップが決まっていて。ただ、ベストタイム出した時にハイポイントで突っ込み過ぎて、あのタイムになっているので、一本まとめ切る力に欠けているな、っていうのを再認識させられました。普段の練習からまとめられるようにしたい。まとめきれていればタイム的には同等か、うまくすれば上に行けていたかもしれないですので、それはもう日々ふたりから言われていることですし、さらに反省して次に。でも決勝が大事なので、そこでもっと頑張りたいと思います。

    鳥羽 豊
  • DRIVERYUYA
    HIRAKI

    僕の時はハーフウェットみたいな感じで、裏はまぁまぁ降っていました。でも、行くしかなかったので、毎周フルアタックみたいな感じでした。最後にタイヤが温まってきて、路面もドライアップしてきたんですが、その時のバランスが良くなくて、ちょっとアンダーステアになってしまいました。車と自分的には攻めきった感じでしたが、コンマ7秒差は大きくて。内圧なのか、前半で出す予定だったので、ちょっと高めで行きましたが……。でも、ロングはそんなに悪くない感じなので、短いですけど淡々と表彰台目指していきたいと思います。

    平木 湧也
  • DRIVERREIJI
    HIRAKI

    最初、スクラブ用のタイヤを作って、その後ユーズドで走りましたが、そのバランスはすごく良くて。決勝想定のセットでしたが、今週ずっとロングランは悪くなかったので、そこは明日いい感じで戦えると思っています。3時間で短いので、とにかくミスなくロングランで、どれだけペース落とさずに走れるかが重要ですから、明日も落ち着いて頑張りたいと思います。

    平木 玲次

SUPER TAIKYU
ROUND 3
RACE【決勝レース】2023年7月9日(日)
【天気】曇り一時雨
【路面状況】ドライ一時セミウェット

SUGOのスーパー耐久が2グループ開催となって、今年が8年目。全クラス混走の頃とは台数もほぼ半数になって、周回数も増えたと思われがちだが、実は逆なのだ。2014年にST-Xクラスで126周という記録が残されているが、これを上回った年はない。バックマーカーを抜き続けていくストレスから解放されるから、勝負に討って出たくなるのか、はたまた魔物が棲むというコースだからなのか。

どうあれ、2グループ開催となった2016年以降、一度もセーフティカー(SC)、あるいはFCY(フルコースイエロー)が出なかったドライコンディションのレースは、グループ1には一度もない。午前中に行われたグループ2は奇跡的に一度も出なかったことから、同じような展開が期待された。

しかし、状況を先に伝えるとFCYは2回出て、最初は2分ほどで解除されたが、2回目はすぐにSCに切り替えられて10分強を経過。さらに時折雨も降って、ペースを鈍らせたこともあって、昨年の120周にも及ばなかった。

さて、今回のスタートを担当するのは、ちょうど1年ぶり、ここSUGOの第3戦以来となる平木玲次だ。決勝のスタート前に10分間のウォームアップが行われ、2周して1分25秒656を記した後に鳥羽と交代。準備は万全だ。

スタートからオープニングラップは慎重に行った平木玲次ながら、2周目の1〜2コーナーで早くもオーバーテイク。「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」を2番手に押し上げる。フォーメイションラップの頃からポツリポツリときていた雨が、4周目あたりで本格的に降り出すも、ポジションはそのまま。それから間もなくやんでしまうと、背後につけていた車両を引き離すようになる。その後、トップとは差をつけられるも20秒ほどに留め、スタートから1時間8分経過した47周目に鳥羽にバトンタッチ。

ほとんどのチームが、このスティントでAドライバーを投入したから、まさにジェントルマンドライバー同士の共演となった。トップは55周目まで交代を遅らせていたため、その間にギャップは50秒近くに広がっていたものの、先に述べた2回のFCYもSCも、鳥羽の走行中という運にも恵まれ、ことSC明けには5秒を切るまでに短縮される。背後まで迫った鳥羽ながら、最低走行時間として義務づけられた1時間を経過した84周目にピットイン。コース上で抜きたかった鳥羽にとって、やや複雑な心境だったかも!

残り50分を託された平木湧也も快調に周回を重ね、それから10分後にトップがピットに入ると、ポジションを奪い去ることに成功。しかし、なおもリードを広げていく最中に、まさかの通達が。ピット作業違反に対し、ドライビングスルーが命じられたのだ。給油装置の誤作動が原因だったが、やむなく98周目にペナルティを履行すると、ポジションは2番手にダウン。ゴールまで30分を切ったところだった……。

勝てたレースを失っただけに悔しさは残るも、それでも今季最上位となる2位を獲得。ポイントリーダーより先着したことで、ランキングはひとつ上げて2位に。さらに差を8ポイントまで縮めたのも、また事実である。残り4戦、全力を尽くして戦えば、きっと願いはかなう!

SUPER TAIKYU
ROUND 3
RACE
COMMENTS

  • DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    もったいないですね。でも勝てる時には勝てるし、こういうことも全体の流れの必然かなと受け止めます。ドライバーみんな、ドライバーの仕事をして、トラブルがなかったら確実に1位獲れているわけじゃないですか? そういう意味では車も非常に良く仕上がっているし、最終的にチャンピオンを獲るために、みんなで力を合わせてやっているし、前に前に出ているので、それを良しとして、次のオートポリスに向けてやっていきたいと思います。昨年も勝っていますから、2年連続優勝して波に乗って、苦手なもてぎを迎えたいと思っています。

    鳥羽 豊
  • DRIVERYUYA
    HIRAKI

    前回からテストしている給油システムが、誤作動でうまく機能しませんでした。優勝できたレースだったのに……。優勝したかったですが、思うようには行かなかったという感じです。作戦も全部当たっていただけに。でも、しょうがないと言えば、しょうがないですし、対策して次に臨みたいと思います。次のオートポリスでようやくウェイトを積むことになりますが、去年も勝っていますし、相性は悪くないと思うので、絶対いいところに行きたいと思います!

    平木 湧也
  • DRIVERREIJI
    HIRAKI

    降ったりやんだりが、僕のスティントで何回かありましたが、トップのペースが良くてギャップもできましたけど、それでも2番手に上がることができて、いい形で鳥羽さんにつなぐことができたのは良かったと思っています。決勝のロングは悪い印象がなかったので、何事もなければ、いい展開に行くなって印象があって、実際そのとおりの展開になりかけていたので、残念ではありますが……。でも、ランキングトップとの差も縮められましたし、まだウェイト軽い状態で挑めるので、次のオートポリスでは何としてもトップを獲りたいと思っています。

    平木 玲次

NEXT RACE

7月はスーパー耐久にとって、2連戦となります。シリーズ第4戦は7月29〜30日に、九州は大分県のオートポリスで5時間レースとして開催。まるで息つく暇など与えてくれません。とはいえ、第3戦は2位だったとはいえ、内容的には勝てていたレースです。それだけに今、チームには勢いがあります。必勝体制でオートポリスに臨みます、吉報をお待ちください!

それを乗り越え、さらに1週間後の8月5〜6日には富士スピードウェイで、FIA-F4の第3大会が控えています。レギュラーの佐藤樹と鳥羽に加え、奥住慈英という、かつてのライバルがスポットで参戦。揃っての上位進出を期待せずにはいられません。

HELM MOTORSPORTSにとって、この夏を「最高の夏」にしたい。いや、絶対にしてみせます!

HELM 公式マガジンサイト「The Helm Times」でHELM MOTORSPORTSの次戦レース情報、ポイントランキング、レース中のショート動画など最新情報を発信中!

HELM OFFICIAL MAGAZINE ザ・ヘルム・タイムズHELM OFFICIAL MAGAZINE ザ・ヘルム・タイムズ

OFFICIAL SPONSORS

  • AIM
  • ALPINIUM
  • 株式会社アロウズ
  • Bind Feather
  • COCO+
  • EVES引田時計店
  • 株式会社ファストルックス
  • ファーストライナー株式会社
  • 株式会社 白英社
  • 響株式会社
  • 茨城日産自動車株式会社
  • 日産プリンス茨城
  • 株式会社アイテックプラス
  • FTK OIL PRODUCTS ルバード(LUBIRD)
  • Mechanix Wear LLC
  • 有限会社マイスターシャフト
  • みとちゃん
  • みずほ銀行
  • 有限会社ピー・エフ・シー・ジャパン
  • 株式会社鈴木良工務店
  • 株式会社シンク・ヴィンク
  • 株式会社スリーボンドホールディングス
  • 株式会社加藤製作所
  • C-west
©2023 HELM MOTORSPORTS