

2023年も「HELM MOTORSPORTS」はスーパー耐久と併せて、全7大会・14戦での開催が予定されているFIA-F4選手権に挑む。4年目となるシーズンは、2022年のインディペンデントカップ王者の鳥羽豊、そして佐藤樹を擁して戦う。
第6大会の舞台はオートポリス。アップダウンに富んだテクニカルコースは、非常にチャレンジングである一方で、タイヤに厳しい側面を持っている。前回のSUGOでは佐藤、鳥羽とも練習までは好調だったが、前日の雨が予選で残っていたことで流れが変わってしまう。ふたりとも果敢にドライタイヤで走行を開始したが、鳥羽がコースアウトし、佐藤もタイヤが完全に発動する前に赤旗終了の不運もあって下位に沈んでしまう。
不運としか言いようがないが、決勝ではそれぞれ順位を上げて、内容としては濃い大会となった。その自信を胸に、オートポリスではきっと巻き返してくれるはずだ。
佐藤が11番手、鳥羽がクラス2番手から臨むこととなった、決勝レース第11戦は13周の争い。路面は完全に乾いており、上々のコンディションでバトルが繰り広げられた。
スタートはそつなくこなした佐藤だったが、オープニングラップの大渋滞に飲み込まれ、ふたつポジションを落として1周目を終える。それでも前から遅れず続いていくが、2周目を間もなく終えようというタイミングで、セーフティカー(SC)が導入される。第2ヘアピン脇で止まった車両を回収するためだ。
SCの先導は3周に渡り、リスタートが切られると佐藤は前を行く車両の背後に。1コーナーでの逆転はかなわなかったものの、じっくり機会を待って第2ヘアピンで12番手に浮上する。だが、それ以上を狙う足はなく、12位でゴールとなった。
一方、鳥羽は絶妙のダッシュを決めて、1コーナーまでにトップに浮上。同じクラスのライバルを一度も寄せつけることなく、そればかりか中盤まで若手を追い回す勢いさえ見せていた。難なく逃げ切って、富士での第6戦以来となる今季3勝目をマークした。
全然ペースがなくて、昨日までこんな感じなかったのに、めちゃくちゃアンダーステアが出ていて、ペースを上げられませんでした。GTが走って路面が変わったせいなのか、根本的にペースがまったく足りなかったという感じでした。また明日もあるので、しっかり備えたいと思います。
スタートは決まりましたね! どんどん若手をカマしながら行ったんですけど、途中からアンダーで、車は曲がらなくて、ブレーキも効かないわ、最終コーナーはオーバーも両方出て、どうしようもない状況で。レースペースも落ちていって、このままじゃやばいかもと思いつつ後ろを見たら、後ろも着いてこないから同じような状況なのかと。ここの優勝トロフィーだけ持っていなかったので、置きに行きつつトロフィーを獲りにいきました。獲れて良かった。久々の優勝はいいですよ、こんな感じだったっていうのを思い出しました!
日曜日の早朝に行われた決勝レース第12戦も、佐藤は11番手からのスタートで、鳥羽はクラス5番手からのスタートになる。上空には晴れ間が広がるも、風が吹いて温度としては、このレースウィークでは最も低そうだ。
ここでは佐藤が苦手なはずのスタートを決めて、1コーナーには9番手で飛び込んでいく。だが、肝心なペースが今ひとつ。2周目の1コーナーで1台にかわされた後、一時は13番手まで順位を落としていた。それでも先行車両のストップで、ひとつ順位を上げた直後にSCが。2周で回収され、リスタートでひとつでも順位を上げようとしたが……。
ストレートで2番手、3番手の車両が接触! 1台はコンクリートウォールに激突して、即座に赤旗が出される。間もなく規定の30分間に達し、レース終了がアナウンスされる。接触原因となった車両にペナルティが課せられたため、佐藤はひとつ順位を繰り上げたが11位で、ポイント獲得とはならなかった。
一方、鳥羽もまたスタートを決めて、なんとオープニングラップのうちにトップに浮上! そのまま2番手を引き離していく。だが、実際には第11戦同様、アンダーステアに苦しんでいたばかりか、間に若手を挟んでいなかったため、SC明けのリスタートに不安を抱えていたが、アクシデントによるレース終了で事なきを得る。
今大会の連勝で、ランキングも4位まで上げた鳥羽ながら、トップとの差は48ポイント差になり、連覇は極めて困難な状況にはなった。それでも残り2レース、必ずベストを尽くしてくれるはずだ。
スタートは悪くなかったんですけど、ペースがまたも全然なくて、どんどん落ちていっちゃったので、次のもてぎまでには何とかしないと。ただ、スタートは今までみたいな失速がなくなったので、それはポジティブにとらえて、もてぎに備えたいと思います。
スタートはまた、バチコンといい感じで、1コーナーまでに3番手で、立ち上がってもう1台、(第1)ヘアピン前の左〜左のところでトップに立てました。あとは離れるばかりでしたが、やっぱりどアンダーで、昨日と同じような感じで。そんな時にSC入ったじゃないですか? ビタビタで来られた時に最終コーナー、大丈夫かなって。最終以外のところは抑えられる自信がありましたが、スリップ使われたら終わっちゃうなと思って、リスタートはすごく神経使いました。後ろ来なくて助かりましたが。流れはいいから、F4のもてぎだけじゃなく、これをS耐の岡山にも持っていきたいと思います。
今週ちょっと違うセットで持ち込みましたが、鳥羽さんは『けっこうこれ、好きかな』ということで、継続で行きましたが、樹くんには合わなかったようで、スタンダードセットに戻しました。今ひとつ結果が着いてこなかった、というのが正直なところですが、2レースとも終盤はトップと同じぐらいのタイムが出ていました。エンジンのかかりは悪かった感はありましたが、決して遅いドライバーではないので、僕たちがそこをどう引き出してあげるかにかかっていますよね。次は地元なので一回テストもする予定です。最後はいい形で、このF110を使うのも最後ですから、僕たちもいい結果を出せるように頑張りたいと思います。
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COMMENTS
ITSUKI
また赤旗が2回も出て、ちゃんとアタックできた周がなかったので……。みんな、そんな感じだったとは思いますが、もうちょっとタイム上げたかったですね。4番手ぐらいは狙える感触はあったので、それは悔しいです。決勝で頑張って追い上げます。
YUTAKA
いや〜、遅い車に捕まっちゃって。見えていたので、それなりの距離とったつもりでしたが、思ったより遅くて、追いついたら危なっかしい動きもするので、圧倒的に入れるところじゃない限りは行っちゃうと、何があるか分からないし。今週はリタイアなしでレースしたかったので、ちょっと保身はしちゃいましたかね。『もう1回、次のラップで』と思いましたが、それで終わってしまって、1回もアタックできずに終わりました。仕方ない。生き残ること前提に、レースで取り返してきます。