

活動開始から早くも4年目となる「HELM MOTORSPORTS」は、今年もスーパー耐久、FIA-F4に参戦。最初のレースは鈴鹿サーキットを舞台とするスーパー耐久だ。昨年は「富士24時間」を含む2戦で優勝、全戦で入賞を果たしてチャンピオンを獲得。頂点に立ったチームだけにつけることが許されるゼッケン1を、今年は背負う。
体制不動の今年は、FIA-GT3で競われるST-Xクラスに出場。「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」をAドライバーとして鳥羽豊が、Bドライバーをチーム代表でもある平木湧也が、そしてCドライバーを平木玲次が務める。なお、シリーズは昨年同様、7戦で競われて有効6戦でシリーズランキングが決定される。
開幕戦は全クラス混走の5時間レース。3回のピットストップが義務づけられた長丁場は、チームが得意とするところ。ディフェンディングチャンピオンの名に恥じない戦いが期待される。
今年は開幕戦からピットウォークが行われ、コロナ禍は収束したわけではないものの、かつてのにぎわいを取り戻しつつあるのは間違いない。決勝のスタートを担当したのは鳥羽。グリーンシグナルの点灯とともに、絶妙のダッシュを決め、1コーナーには4番手で飛び込んでいく。3周目に順位をひとつ落とすも、相手はプロドライバー。6番手の同じジェントルマンドライバーは寄せつけず、「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」は好調な立ち上がりとなったはずだった。
ところが9周目にドライビングスルーを命じる黒旗が、鳥羽に対して提示されてしまう。スタートで計測ラインの前で、前車を抜いてしまったのが原因だ。やむなく次の周にピットロードに進み、クラス最後尾に後退。しかし、鳥羽のペースは悪くない。わずか4周でひとつ順位を取り戻し、その時点で10秒ほどあった5番手の車両との差も着実に縮めていく。21周目のスプーンでは前に。その後の鳥羽はポジションをキープしていった。
ほぼ1時間経過したところで、コースアウトする車両が相次ぎ、FCY(フルコースイエロー)が出されるも、1台がオイルを吹いていたため、やがてセーフティカー(SC)にスイッチ。ジェントルマンドライバーは75分以上走らなくてはならないため、すぐにピットに入れなかった「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」ながら、予想以上に長引いたため、1時間18分経過した32周目、鳥羽から平木湧也に交代。この間にひとつポジションを落とす。
なかなか前に迫るには至らずにいた平木湧也ながら、60周目にはマシントラブルで、64周目にはペナルティで、さらに67周目にもトラブルで後退する車両が。他力本願ながら、これで「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」は3番手に。
69周目からは平木玲次がドライブ。ピットストップの間に、ひとつポジションを落としてしまう。さらに、その2周後に2回目のFCYが出され、わずか3分で緑旗が振られるも、解除に手間取り10数秒をロス。これが前との差をなかなか詰められない決定的な要因となった。残り1時間半となったところで、またもやコースアウトする車両が続出。再びFCYからSCに切り替えられたのが3時間42分経過時。チームは迷うことなく、平木湧也への交代を敢行する。コースに戻った時の3番手との差は1秒半となっていた。これならば……。
必死に追いかける平木湧也ではあったが、相手もエースを投入して徹底抗戦。粘り強く最後まで戦っていれば……と思われた矢先の102周目、シケインで接触があり、1台がガードレールに激しくヒット! 破片を撒き散らしてコース状に横たわったため、赤旗が出されてしまう。ドライバーが大事に至らなかったのは不幸中の幸いながら、ゴールまで45分を残していながらレース終了がアナウンスされる。「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」は、開幕戦を4位で終えた。
僕的にはラインぎりぎりで、最高のスタートが決まったと思っていたんですが、言われてみて、「そうか、そうなんだ」って感覚ですね。でも、ちゃんとレースコントロールが見た上での判断ですから、間違えるはずないので。そういう状況の中で3位も4位も大きく変わらないですし、去年のスタートももたついた感じでしたし、スロースターターな我々としては、いつもどおりなのかと(苦笑)。いちばん大事なのは次の24時間で、ウェイトを積まずに戦えるというのは去年と同じですし、この同じ条件をうまく活かして、今年も24時間の覇者になりたいですね。全員で力を合わせてやっていきます。
パフォーマンスが低いですね、全体的に。去年と大幅に変えていないのに、ノーウェイトだったから、軽いとグリップ感がなくて。今週ずっと、それに苦しんでいた感じです。重いとタイヤが潰れていたので良かったんでしょうけど、軽くなると逆に足りなくて。硬めていっても、そんなに良くならなかったですね。24時間の連勝、目指していきたいんですけど、ペースの問題などいろいろあるので、次の公式テストで試したいと思います。
2回目のFCYが僕がピットアウトして2周ぐらいで入ったんですが、その時の解除に手間取ってしまって……。原因を調べる必要はあるんですけど、解除ボタンを押してもなかなか解除できなくて、そこで10秒ちょっとロスしてしまったのが、すごく痛かったですね。最後の赤旗終了は、ああいうことがあったので仕方ないことだと思います。予選から上位陣とはタイム差があって、改善に向けていろいろやって決勝に臨んだんですけど、全体としてロングランのペースはそこまで悪くなかったので、いいデータが取れたと思っています。次は大一番なので、また頂点に行けるよう、しっかり準備して頑張ります。
SUPER TAIKYU
ROUND 1QF
COMMENTS
YUTAKA
路面は乾いていましたが、3周待ちました。アタック1周目、「まぁ、なるほどね」って感じで、まだ上げられる感じで行ったんですけど……。どこでミスったのか自分でも分からず、セクター1だけはいくつか遅いものがあったんですけど、「ここ、失敗しちゃったな」みたいなのはないんです。確かにグリップ感はなかったですね、昨日と比較したら。やばいです、珍しく弱気になりました。でも、長丁場ですからね、決勝は頑張ります。
YUYA
セクター1のS字がパッチみたいになっていて、それ以外はドライだったんですけど、このS字区間が全然グリップ感なかったですね。路面が良くなったら、たぶん僕たちは悪くはないと思うし、レースタイムとしてもけっこう平均はいいはずなんですけど……。ちょっと一発の速さは今ないかな、というのが正直な気持ちです。明日の決勝は長いので安定して、ミスなく行きたいと思います
REIJI
昨日の最後のセッションとは気温や路面温度が変わって、そのあたりのアジャストが今ひとつうまくいっていませんでした。明日の決勝に向けて、もう一度アジャストしていかないと、厳しい戦いになってしまいそうです。それでも決勝のロングランには割と自信があるので、後半うまくバトンタッチを回して、表彰台を狙います。