SUPER TAIKYU ROUND 2FUJI2023.5.26-28

SUPER TAIKYU
ROUND 2
RACE REPORT2023.5.26-28

2回目のポールポジションから臨んだ富士24時間、8時間目までトップ快走も……
まさかのブレーキトラブルに見舞われ、4位という結果に。でも、まだ諦めない!

チーム創設から4年目となる「HELM MOTORSPORTS」は、今年もスーパー耐久、FIA-F4に挑む。2戦目となるスーパー耐久は、富士スピードウェイを舞台とする「NAPAC SUPER TEC 富士24時間レース」として開催される。

このシリーズの大一番は、「HELM MOTORSPORTS」にとって極めて相性が良く、2021年にST-3クラスで優勝。さらに昨年は現在のST-Xクラスでも、すなわち総合優勝を飾ったレースである。この時の大量得点がチャンピオン獲得の、そしてゼッケン1を背負うことになった最大の要因であるだけに、もちろん、目指すは3年連続制覇だ! 

最初のレースは鈴鹿サーキットを舞台とするスーパー耐久だ。昨年は「富士24時間」を含む2戦で優勝、全戦で入賞を果たしてチャンピオンを獲得。頂点に立ったチームだけにつけることが許されるゼッケン1を、今年は背負う。

「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」をドライブするのは、レギュラーの鳥羽豊と平木湧也、平木玲次、そしてふたりの強力な助っ人だ。ひとりは昨年に続いてショウン・トンで、もうひとりはヤン・マーデンボロー。この5人で必勝を期す。

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QUALIFYING【公式予選】2023年5月26日(金)
【天気】晴れ 【路面状況】ドライ

スーパー耐久にコントロールタイヤを供給していた、ハンコックの工場で3月に大規模な火災が発生し、レーシングタイヤの生産が一切不可能に。一時はシリーズの開催さえ危ぶまれたものの、その後2024年からのタイヤサプライヤーをブリヂストンが務めることが発表され、さらに先行して第2戦からドライタイヤは、ブリヂストンから供給されることになった。「黒くて丸いもの」と評されるタイヤではあるが、メーカーが異なれば特性が違っていて然り。

これまでのデータが通用しなくなっていたり、ラップタイムやライフにも違いが生じたりもするため、当初木曜日だけ行われるはずだった専有走行は、水曜日にも追加。もちろん「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」も水曜日から走行を開始し、入念にテストを行なった。

ちなみに2月の第1回公式テストでは、平木湧也が1分39秒589を記録しているが、季節的な条件から、これを上回ることはないと思われた。だが、嬉しい誤算が!

まずはAドライバー予選に臨んだ鳥羽が、計測1周目から1分42秒台に乗せてトップに立つと、そのまま1分41秒168、1分40秒861と好タイムを連発して、ポジションを最後までキープ。続いてBドライバー予選に臨んだ平木湧也にいたっては、計測2周目からのワンアタックを完璧に決めて、1分39秒465を叩き出してトップに立ったのだ。もちろん合算タイムでもトップとあって、昨年の最終戦・鈴鹿以来、「HELM MOTORSPORTS」にとって2回目のポールポジション獲得となった。

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QF
COMMENTS

  • A DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    今週は湧也くんや玲次くんだけじゃなく、ヤンやショウンのデータもあって、いろんなアドバイスもらって、前回の鈴鹿からだいぶ修正できたんですよ。富士はホームコースみたいなものですから、その中で修正が効いて、自分でもいい感じで乗れているな、というのがありました。それでも、やっぱり自分ひとりで乗っているんじゃないなっていうのを日々感じていて、夜遅くまでやってくれるメカのみんなの期待を背負って、彼らが喜んでくれることをしなきゃいけないなって思っていたので、こういう形でポール獲れて最高です。あとは本戦が大事なので、決勝を楽しみにしています。

  • B DRIVERHIRAKI
    YUYA

    まずタイヤが変わったというのが、いちばん大きな要因で、水曜日から走行を始めて、昨日の一本目には車がいい状態になって、セットアップ、調整が終わりました。ちょっといじっただけで、すごくいいところに来たので、ブリヂストンタイヤになって本当に良かった! 最初は心配でしたが、ほんの少しのアジャストでもう、すぐにいい状態になりました。みんな同じ状態からチームがどれだけアジャストできるかが勝負だったので、この予選の順位は嬉しいですね。去年、ショウンと組んで本当に申し分ないパフォーマンスだと思いますし、今年はヤンが加わってくれて、昨日の夜にすごく高いパフォーマンスで走ってくれたので、きっと安心してレースに挑めると思います。あとはトラブルとペナルティだけ、気をつけて走ります。

  • C DRIVERHIRAKI
    REIJI

    今日は主に僕は、明日のブレーキの焼き入れとタイヤのスクラブを担当しましたが、その中でもしっかりバランスを確認できて、タイム的にもまずまずでした。タイヤ変わってから不安でしたが、マシンバランスがすごく良くて、うちの車にマッチしているので、明日の決勝、トラブルや接触なく行けたら、いいところ狙えるんじゃないかと思っています。

  • D DRIVERJANN
    MARDEN-
    BOROUGH

    今回、平木兄弟からオファーを受けて、レースに参加することができて嬉しく思います。少しでもいい走りができるように、頑張ります。チームはすごく僕を歓迎してくれていて、雰囲気はとてもいい。しっかりコミュニケーションをとってくれるし、チーム自体もプロフェッショナル。5人のドライバーのチームワークもすごくいいので、いい結果を出せるはず。もちろん目標は勝つこと! 去年のウィナーであるHELMの、いい助っ人になれるように頑張りたいと思います。

  • E DRIVERSHAUN
    THONG

    チームのみんなとは、うまくやれています。スーパー耐久にまたHELMのみんなと出られて嬉しいです。平木兄弟と鳥羽さんには、本当に感謝しています。もちろんレースに向けては、優勝を目指して最大の努力をしますし、去年も一緒に乗っていたので、2連勝に向けて頑張ります。

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RACE【決勝レース】2023年5月27日(土)〜5月28日(日)
【天気】晴れ 【路面状況】ドライ

スーパー耐久が富士で24時間レースを開催するようになって、もう6回目とあって観客は楽しみ方を熟知しているようだ。コース脇のあちこちに色とりどりのテントが設けられているのが、その何よりもの証明だ。幸い、今大会は天気にも恵まれるはずだから、レースウィークをエンジョイしてもらえるに違いない。

レース開始は今年も15時。今年もスタートを担当するのは鳥羽だ。ポールポジションからスタートを切った「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」は、1コーナーへのホールショットに成功。しかし、最終コーナーで一台に、そして2周目のヘアピンでもう一台に抜かれるが、これはもちろん相手がプロドライバーとあって、想定の範疇。同じくジェントルマンドライバーが走らせるマシンは、鳥羽は一歩も寄せつけなかった。周回を重ねても状況に変化はなく、むしろそういったドライバーが早めの交代を行う中、鳥羽はきっちり1時間17分走り続けて、44周目に平木玲次と交代。しかもトップから40秒と遅れずに!

この間にいったんトップを明け渡すも、65周目に抜き去り、そのまま差を広げていく。2時間35分経過した89周目には、マーデンボローに1分近いマージンを授けられたほどだ。ナイトセッションに突入し、程よく温度も下がってくるとマーデンボローの速さがさらに際立つように。4時間経過を間もなくというタイミングの134周目から、最初のWスティントが実施される。その頃には2番手のスピンもあって、リードは1周以上に広がっていた。

しかし、平穏無事だったレース展開が、急に動き始める。間もなく5時間経過という頃、ダンロップコーナーの入口でクラッシュがあり、デブリが散乱したことでセーフティカーが導入される。166周目に「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」もピットに戻って、平木湧也に交代。もちろんトップはキープされ、216周目からWスティントに入る。8時間目を間近に控えた、256周目からはトンの担当だ。

トップをトンが快走する間に、思いがけぬ事態が発生する。最終コーナー付近に迷い込んだ小動物を避けようとして、コントロールを失った車両がクラッシュ。激しく燃えたのだ。ドライバーは無事だったが、オイル等も撒かれたことからSCが導入。結果的に先導は30分以上に及んだため、この間に義務づけられた10分間のメンテナンスタイムを行ったのは、的確な判断ではあった。

10時間48分経過、338周目からは再び平木湧也の担当だ。しかし、それから10周も経たぬうちに、「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」はピットに戻ってくる! 右フロントのブレーキローターが割れたのだ。先のメンテナンスタイムで交換したばかりなのに……。大事をとって、左右とも交換しても約5分のロスで済み、ポジションは3番手に落ちたが、まだ挽回の余地はあると思われた。折り返しを過ぎた381周目からは、再びマーデンボローがドライブ。

その直後に、またも激しいクラッシュが発生する。ダンロップコーナー手前で追突された車両がガードレースをヒットしたため、修復には時間を要するということで、赤旗が出されてレースは中断。サーキットは1時間半近く、静寂を保つことに……。

再開後もマーデンボローがドライブし、437周目にはトンと交代。482周目からは平木玲次、526周目からは鳥羽、570周目からは平木湧也と、この流れは順調そのもの。だが、20時間目を間もなくという頃、ドライビングスルーペナルティを課せられてしまう。FCY(フルコースイエロー)中の追い越しが原因だ。これだけはやってはならなかった……。

611周目からマーデンボローが、655周目からはトンが走行。ポジションは3番手のまま。そして、ゴールまでの1時間、692周目からのラストスティントが鳥羽に託された。先行する車両とは大差が開いており、せめて表彰台へ……というのがチーム全体の思いだった。しかし、4番手の車両が徐々に迫ってくる。相手はプロドライバー。だが、「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」が本来のパフォーマンスを発揮できなくなっていたのは、誰にも明らか。無情にもゴールまであと6分というところで、鳥羽は抜かれてしまう。

連勝ならず、表彰台にも上がれず。しかし、4位とはいえ、しっかり完走を果たせたことは、シリーズを通じた上では重要な意味を持つ。ランキングは3位となったが、トップとの差はわずか11ポイント。まだ5戦を残すことを思えば、チャンスは十分にある!

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RACE
COMMENTS

  • A DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    情けないです。最後は車のアンダーパネルのどこかが損傷していて、ダウンフォースが出なくなっていて、本来のHELMのGT-Rの状態ではなかったです。自分にも甘さがあって、最後に後ろはジェントルマンが乗るものだと思っていて、ペースはリスク取るより安全な方で走っていたんですが、後で来ているのがプロだと分かって、そこからプッシュしましたが、結局間に合わなくて……。プロは速いし、そこに勝つとか負けるとかいうレベルではないのは分かっていますが、自分自身もっと速くなるための努力で怠っている部分が、たくさんあることに気づきました。運転上手いのかなって、大きな勘違いをしていました。これはもう、本当に地道な努力をして、上げていくしかないと思いますし、これで逃げて諦めたら終わりなので、今年の年間チャンピオン目指して、また一からやり直したいです。

  • B DRIVERHIRAKI
    YUYA

    悔やまれることがいっぱいありますが、まず作戦のタイミング。その中でもブレーキローターが割れてしまったというのが、いちばん大きな原因で。メンテナンスタイムで新品ローターに換えたのに、1スティント経たずに割れてしまいました。引っ張って割れたなら分かりますが、どうしてそんなに早く……。今も原因が分からず、普通は起こらないことが起きてしまいました。それで勝負権を失ってしまったのが、本当に残念です。途中まで本当に順調でしたが。防ぎきれない事態が起こったというか……。でも、みんなベストは尽くせて、やれたと思います。いろいろトラブルはありましたが、悪いレースではなかったので、次につなげていきたいと思います。

  • C DRIVERHIRAKI
    REIJI

    夜中のトラブルから流れが変わってしまって、ちょっと予想できないところが壊れてしまいました。いろいろマシンは対策をして、トラブルが出ないよう入念にチェックしてきましたが、そうでないところが。悔しいですね、正直。スピードは予選からありましたが、トラブルを跳ね返せるだけの運がなかったです。まだ残り5戦あるので、このビハインドをしっかり巻き返せるように頑張りたいと思います。

  • D DRIVERJANN
    MARDEN-
    BOROUGH

    結果は残念でしたが、僕自身は自分のパフォーマンスを見せられたところはありますし、ナイトセッションはすごく楽しめました。最初の8時間はトップにいたので、それもとても良かったです。以前、日本でレースしていた時の感覚を徐々に取り戻せて、ナチュラルに“ゾーン”に入ることができたことに自分自身、驚いてもいます。また日本に戻ってきたいと思っています、日本は大好きですから。またオファーがあればまたレースをしたいです。

  • E DRIVERSHAUN
    THONG

    個人的には、2018年から富士24時間レースを戦っているので、思い入れもあるだけに、去年のような結果を残したかった。でも、今年は私たちより、もっといいレースをしていたチームがありました。みんなでベストを尽くしたけれども、ほんのちょっとだけ運が足りなかったようです。残念ですが、また来年も戻ってきて、楽しいレースをしたいと思っています。

NEXT RACE

シリーズ第3戦はスポーツランドSUGOを舞台に、7月8〜9日に2グループに分けられた、3時間レースとして開催される予定です。HELM MOTORSPORTSにとって、富士24時間は悔しい結果に終わりましたが、ポイントランキングではまだ上位は大接戦。SUGOでの巻き返しを、乞うご期待です!

その一方で、今回の思いを引きずることなく次週6月3〜4日には、鈴鹿サーキットでFIA-F4の第2大会に臨みます。インディペンデントカップの連覇を目指す鳥羽は、第1戦で優勝。そして佐藤樹も予選では2戦とも3番手、決勝こそ試練の展開になってしまいましたが、戦える自信は確実に得られたはずです。ふたりの活躍にご期待ください。

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