ヘルムモータースポーツ

SUPER TAIKYU ROUND 4AUTOPOLIS2023.7.29-30
FIA-F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP

SUPER TAIKYU
ROUND 4
RACE REPORT2023.7.8-9

絶えず最速だったのは、誰もが認めるレースウィーク
運と流れだけが……。今までで「いちばん悔しい2位」に

チーム創設から4年目となる「HELM MOTORSPORTS」は、今年もスーパー耐久、FIA-F4に挑む。今季4戦目となるスーパー耐久は、オートポリスで「スーパー耐久レースinオートポリス」として開催される。ST-Xクラスで「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」をドライブするのは、鳥羽豊と平木湧也、平木玲次の3人だ。

前回のスポーツランドSUGOでは決勝を3番手からスタートし、練習走行中から手応えを得ていたロングランの安定感を武器に、順位を徐々に上げて終盤にはトップに躍り出る。そのまま逃げ切りが期待されるも、給油装置の誤作動によるピット作業違反に対する、ドライビングスルーペナルティが課せられ、2位に甘んじた。

勝てたレースだっただけに悔しさは残るが、その一方で勝てる自信を再び取り戻したのも事実だ。ランキングもひとつ上げて2位となり、トップとの差も8ポイントにまで短縮。ウェイトハンデも今年初めて積むものの、わずか20kgとあって影響を大きく及ぼすことはないはずだ。まして昨年も勝って、相性の良いサーキットである。予選からの大暴れが期待された。

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QUALIFYING【公式予選】7月29日(土)
【天気】晴れ
【路面状況】ドライ

オートポリスといえば、高地に位置するサーキットだけに、天候に悩まされることが多く、雨が降って、やむと霧になる。いや霧とは称していても、実際には雲に包まれていたりする。しかし、このレースウィークばかりは梅雨明け直後ともあって、練習走行が行われた木曜日、金曜日はドライコンディションが保たれた。

ただ、全国的にそうなのだが、近頃とにかく暑い! 高地に位置するサーキットとあって、少しは例外的な状況となることが期待されたが、そう甘くはなく……。おまけにセッション中に気温、路面温度とも激変するため、なかなかセットを決めきれずにいた。

それでも金曜日に行われたタイム計測もある、専有走行の午前のセッションでは平木玲次が1分52秒141を記して3番手で、トップからコンマ4秒と遅れず。グループごと分けられた午後のセッションでは平木湧也が1分50秒826にまでタイムを詰めて、やはり3番手に。何よりAドライバーだけの比較であれば、鳥羽が1分51秒738をマークしてトップで、2番手をほぼコンマ5秒引き離しており、そのあたりは非常に心強くもあった。

予選の行われた土曜日も猛暑に見舞われたが、このコンディションを読んだセットが予選ではジャストフィット。正確には午前に行われた、フリー走行でのトライ&エラーが大きく効いた。平木湧也が1分52秒006で4番手に留まっていたことから、バックデータを元に大きく方向性を変えていたのだ。

Aドライバー予選でライバルの多くが高い温度を考慮して、計測1周目からアタックする中、あえて鳥羽は2周目から。この好判断によって、いきなり1分50秒407を叩き出してトップに浮上。続いての周回こそタイムアップならなかったものの、誰も鳥羽のタイムを上回れず。

これにはBドライバー予選に挑む平木湧也も、プレッシャーを感じずにはいられなかったようだが、むしろいいプレッシャーにもなっていた。鳥羽同様、計測2周目からのアタックで1分48秒383をマークしてトップに立つと、確信したかのようにピットに戻ってきた。もちろん、「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」は第2戦・富士以来となる、今季2回目のポールポジションを獲得した。

Cドライバー予選においては、いつものように平木玲次が決勝に向けた準備を整えつつ、自身も最後の周回に1分51秒492を記録。3人揃ってトップは、チームの士気をさらに高めることともなった。

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QF
COMMENTS

  • DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    タイヤの温度をちょっと低めで出ていって、低めの温度から上がっていくのを見ていたので、これはいい感じで行けそうだなと思って、アタックを開始しました。いくつか失敗もしましたが、課題だったセクター3を今日はすごくきれいに走れたので、それでだいぶタイムが稼げて、全体ベストだったので、すごく良かったです。データ見ながら、湧也くんや玲次くんとずっと話をしていて、悩みが解決してすべてつながったので、本当にいいラップでした。決勝も頑張って、トップ獲ります!

    鳥羽 豊
  • DRIVERYUYA
    HIRAKI

    朝も本当はいいはずでしたが、全然車の状況が変わっていて、どうしようかな……みたいな感じでしたが、タイヤの状態も違うし、路面温度も変わってくるのは分かっていたので、昨日までのデータを元にはめ込んでみたいという感じでした。走る前、お腹痛かったですよ、だって鳥羽さんがあんなタイム出してくるんですから! びっくりですよね? もちろん今回、ポールポジション獲らないと、シリーズチャンピオンきついのがありましたし、ここで行かないと。もちろん優勝したいですけど、ウェイトがつかない2ポイントが欲しかったので、獲れて良かったです。勝てそうで勝てないレースが続いていますが、今回はミスなくやれれば勝てると思います。

    平木 湧也
  • DRIVERREIJI
    HIRAKI

    いつものようにしっかり準備もできました! 予選でふたりともすごくいいタイム出してくれて、決勝ではいちばんいい順位から戦えるので、なんとしても頂点に行きたいと思います。車のバランスも良かったですし、明日に向けて全然不安材料はないので、いい形で挑めそうです。

    平木 玲次

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RACE【決勝レース】2023年7月30日(日)
【天気】曇りのち晴れ
【路面状況】ドライ

オートポリスとスーパー耐久の歴史はそう長くなく、最初に行われたのは2012年だから、今年が12回目となる。全クラス混走の5時間レースとしては6回目で、うち3回がドライコンディションでの争いだった。マシンも進化して、年々周回数が伸びているかといえば、実は最初の年、2018年の156周が最多。前回のSUGOもそうだったが、セーフティカー(SC)やFCY(フルコースイエロー)の介入が増えているのが原因だと思われる。

願うはクリーンなレース展開で、記録が更新されること。それが「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」によって達成されれば最高だ。

ところで日曜日の天気だが、思いがけないことになっていた。なんと早朝から雨が降っていたのだ! そのため、スタート進行の開始とともに行われたウォームアップは、ウェットタイヤでの走行を強いられてしまう。

当初の予定では、鳥羽がスタートを担当する予定だったが、急きょ平木湧也に変更。昨年の開幕戦・鈴鹿以来となる。大幅なセット変更が必要とされるかと思われたものの、15分間の短いセッションのうちに雨はやみ、途中赤旗中断があったが、再開後はドライタイヤを履ける状態にまで回復。セレモニーがすべて終了した時には、路面はほぼドライコンディションに。

スタートダッシュを決めた「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」は、トップをキープしたばかりか、1周目を終えると早くも2秒近いリードを築いていた。そのまま逃げ続け、一時は5秒にも平木湧也は広げていたのだが……。バックマーカーとの巡り合わせが悪く、2番手が7周目以降、徐々に差を詰めてきたばかりか、12周目から約2分に渡り、FCYが提示されてしまう。解除後のアクセルオンがやや遅れたのか、間隔は2秒を切るまでに詰まり、こうなると追いかける方に勢いがある。20周目の1コーナーで逆転を許すも、大きく遅れることなく続き、再逆転の機会を待つ。

しかし、トップが40周目にドライバー交代を行ったため、再びポジションを取り戻し、スタートから1時間25分経過した44周目に、鳥羽に交代。ST-Xクラスの全車がピットに入ると、「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」はトップをキープ。このスティントはほとんどAドライバーが担当していたから、まさに鳥羽の独壇場となり、1分近くリードを広げていた。

ところが、好事魔多し。69周目の最終コーナー手前でスピンを喫しているではないか! ST-5クラスの車両をかわそうとしてインを通るも閉められて、かつ接触してしまったのだ。幸いダメージはなく復帰できたものの、これでリードは30秒ほどに縮まってしまう。このスティントを唯一担当したプロドライバーが近づき、12秒差とされたが、相手の交代によってコース上での逆転は許さず。

義務周回時間をクリアした82周目に、鳥羽が平木玲次にバトンを託すと、トップはまたもやキープ。そして、後続との差も徐々に広げて30秒以上としていたのだが、113周目からこのレース、3回目となるFCYが提示されてしまう。最終コーナーでコースアウトした車両があったからだが、平木玲次に無線で伝えられたのはストレート。30秒遅れていた2番手は、FCY提示直前にピットに入ることができた。ということは……。

解除後の114周目に「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」は、平木湧也に代えてコースに送り出されるものの、2番手に後退していたばかりか、トップには20秒近く離されていた。なんたる不運! 残り1時間10分で果たして挽回なるか? 差は確実に詰まってはいくのだが、トップに余裕があるのは明らか。それでも10秒を切るまでに縮めたのは、平木湧也の意地でもあった。

一時は完全に勝ちを確信しただけに、今までで「いちばん悔しい2位」であるのは間違いない。しかし、このレースウィークで予選、決勝を通じ、最も速かったのも紛れもない事実である。

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RACE
COMMENTS

  • DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    富士の24時間もそうでしたけど、流れがないっていうか。流れっていうのは、自分たちで持ってこなければいけないんだけども、いい形で来たものを、僕が回ったりしたからなのかなぁ。あれは最終のひとつ手前のコーナーで、ST-5の車をインから抜こうと思ったんですが、そのインを閉められて、避けたんですけど、なおかつ当てられて。ステアリング切ったところにガンと当てられたので、バランス崩して回ってしまいました。すぐ復帰はできたんですが、ロスは最小限になって、あんなところから流れをひとつ悪くしてしまいました。力的には僕らの方が上でしたが、もうひとつ運ですよね。運も力なので、それをつかみ取るだけの、なにか足りていないものがあるんでしょう。もう少し、あと2段、3段上を目指して、自分自身も切磋琢磨したいと思います。

    鳥羽 豊
  • DRIVERYUYA
    HIRAKI

    順調だったんですけど、残り1時間ぐらいまでは。あのFCYはどうすることできなくて。最後の最後なので、取り返しもできませんでした。30秒ぐらい前を走っていたから、ちょうど向こうは入れて、うちは入れないタイミングになっちゃったので、巡り合わせが良くなかったですね。温度が高くて難しい状況の中、車の状態は悪くなくて、うまくいっていただけに、ちょっとつらいですね、あのチームに勝たれたのは。どうやって取り返していくか……。でも、諦めずに頑張っていきます。

    平木 湧也
  • DRIVERREIJI
    HIRAKI

    途中まではすごくいい展開でギャップも築けていて、僕のスティントでも後ろとの差を見ながらプッシュしていて、すごくいい状態でした。ちょうど最終コーナー過ぎたところで、グラベルストップの車両があるって情報が入ったので、入ることができなかったのが敗因ですね。運要素の強かったレースですけど、今週は一貫して速さはあったので、次の地元もてぎでは、なんとかして今年の初の優勝をもぎ取れるように、チーム一丸となって頑張ります。ここ最近、もてぎではいいところがないので、相性のいい地元コースに変えます!

    平木 玲次

NEXT RACE

スーパー耐久のシリーズ第5戦は9月2〜3日に、モビリティリゾートもてぎで5時間レースとして開催されます。HELM MOTORSPORTSにとってはホームコースでの戦いになりますが、ST-3クラスに臨んでいた初年度の2020年こそ優勝していますが、GT-Rに改めて初めて臨んだ2022年はウェイトハンデに苦しんだこともあって4位に。しかし、今回見せた速さは、きっと本物です。絶対勝って、得意のコースとします!

その間に8月5〜6日には富士スピードウェイで、8月26〜27日は鈴鹿サーキットでFIA-F4の第4、第5大会が控えています。富士ではレギュラーの佐藤樹と鳥羽に加え、奥住慈英がスポットで参戦。

スーパー耐久、FIA-F4いずれのレースも、まだまだ暑さ厳しき戦いになりそうです。しかし、HELM MOTORSPORTSの熱さで乗り越えていきます。ご期待ください!

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