

チーム創設から4年目となる「HELM MOTORSPORTS」は、今年もスーパー耐久、FIA-F4に挑む。今季5戦目となるスーパー耐久は、モビリティリゾートもてぎで「もてぎスーパー耐久5Hours Race」として開催される。ST-Xクラスで「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」をドライブするのは、鳥羽豊と平木湧也、平木玲次の3人だ。
前回のオートポリスでは今季2回目のポールポジションを奪い、決勝も大半をリードした。しかし、終盤に出されたFCY(フルコースイエロー)に対し、2番手の車両が提示直前にピットに入ったことで逆転を許したのは、なんとも痛手だった。20秒ほどの差を最後は10秒を切るまでとしたが、無念の2位に……。速さは確実にあっただけに、悔しい週末となっていた。
だが、その無念を晴らすに、今回は最高の舞台だ。そう、もてぎはチームのホームコース! ST-Xクラスではまだ勝ったことがないが、勝てれば相性抜群のホームコースと称することができる。ウェイトハンデは40kgとなったが、ランキングトップは倍以上の85kg。一気に差を詰める、絶好のチャンスだ。
もてぎで5時間レースが行われるようになって6回目。最多周回数は2018年と2021年の150周。この記録が更新されるか、大いに注目された。願わくは、「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」による更新であることも。
今回は早朝にピットウォークが実施され、その直後には15分間のウォームアップが設けられていた。ここは平木湧也の走行となるも、1周の計測で走行を終える。これはブレーキからの振動を訴えたため。大事をとってローターが交換される。
スタートを担当したのは鳥羽。2列目に並んだ2台はプロを充て、早めの勝負を仕掛ける構えながら、GT-Rのターボパワーを炸裂させて、オープニングラップの逆転を阻む。10周目に1台、15周目にもう1台の先行を許した鳥羽ながら、トップは視界に収めて離さない。ここまでは順調そのもの。ところが、30周目のS字コーナーで信じられない光景が。
なんと「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」がコースアウトしているではないか! バックマーカーを抜こうとして接触していたのだ。即座にFCYが出され、復帰を果たすも、このアクシデントに対し、後にドライビングスルーペナルティを命じられ、勝負権を失ってしまう。
37周目、Aドライバーに義務づけられた、75分間をこなしたところで鳥羽はピットイン。ここからは平木湧也の番だ。予選で失った自信を取り戻すべく、快調に周回を重ね、68周目にピット作業違反によるドライビングスルーペナルティを課せられた車両があって、1ポジションアップ。レースはまだ折り返しも過ぎていないから、何が起こるか分からない。諦めずに走行し、2時間40分経過した78周目に平木玲次に第3スティントを託す。
平木玲次も諦めない姿勢は一緒。ピットタイミングの異なる車両があって、ひとつポジションを上げ、さらに91周目に1台をかわして4番手に浮上する。118周目、ゴールまで残り1時間を切ったところで、再び平木湧也がドライブ。前も後ろも離れた状態の中、トップとは1周遅れとなってはいたが、少しも遅れず周回を重ねていたのは、それだけのポテンシャルがあることを示そうという、平木湧也の意地でもあった。
「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」は146周を走破し、4位でフィニッシュ。ランキングは2位のままながら、トップとの差を7.5ポイントにまで詰めていた。
S字にバックマーカーがいて、S1で入り込むところまで追いついたので、パッシングもしていたからインに飛び込んでいったら、向こうもインに飛び込んできたので、さらにインに入ったんですよ。向こうも見えていないとは思えないけど、リヤが滑ってしまったのか、それで当たってきたんですよ。フロントにドーンと当たった衝撃で、バランス崩して回っちゃったんです。今、思うと抑えていくべきだったかなと。前回もやらかしているので、チームに申し訳ない。ペースは良かったので、よけいもったいない。でも、あと2戦あります、まだまだ頑張ります。
鳥羽さんのコースアウトがもったいないですけど、しょうがないですよね。そこから挽回はできたと思うので、ペースも良かったですし、ポテンシャルは高かったと思っています。ポイントは差がちょっと詰まりましたし、まだチャンスはあると信じて頑張ります。
すごくレース展開も良かったですが、鳥羽さんのスティントで接触があって、ドライビングスルーももらったのが、結果に大きく影響してしまいました。ただ、その前後のペースもすごく良かったですし、チームとしての速さは間違いなくあったので、ランキングトップのチームもトラブルで沈みましたから、そんなにネガティブには僕はなっていなくて。逆にウェイトを足さない状況で次に挑めるので、岡山は何としてもトップ獲ります!
SUPER TAIKYU
ROUND 5QF
COMMENTS
YUTAKA
計測2周目からアタック行ったんですが、1コーナーでド・アンダーになって、まだ温まっていなかったので。じゃあ、これは確認の1周にしようってうまく切り替えられて、ラインとかそれまでにできていなかったことを復習しました。それが意外に冷静にできて、次のアタックは死ぬ気で行こうと思って、1コーナーから突っ込んでいって、突っ込んだ以上は向きを変えることに集中して、なるべく早めのアクセルで行くことができたので、良かったです。湧也くんがうまくいかなかったですが、それでも2番手なので、決勝でトップまで上り詰めることができたら完璧ですね。明日はそこを目指して頑張ります。
YUYA
1周目は無難に行き過ぎちゃって、『もうちょっといかないとな』と思って行ったら、今度は行き過ぎました、ちょっと飛び出しちゃって終わりです。終了です……。やっちゃったって感じですが、決勝でその分、頑張ります。
REIJI
決勝で使うタイヤを2セットスクラブして、その後ユーズドタイヤで走行しましたが、バランスとしては悪くない感じなので、決勝想定のロングランを。いいペースをどれだけ刻めるかで、順位は変わってくると思うので、じっくり行きます。こないだみたいにFCYでガラッと展開変わることもあると予想して、しっかり準備していきます。そろそろ勝ちたいです!