

チーム創設から4年目となる「HELM MOTORSPORTS」は、今年もスーパー耐久、FIA-F4に挑む。今季6戦目となるスーパー耐久は、岡山国際サーキットで「スーパー耐久in岡山」として開催される。ST-Xクラスで「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」をドライブするのは、鳥羽豊と平木湧也、平木玲次の3人だ。
モビリティリゾートもてぎで行われた第5戦は、第1ドライバー予選で鳥羽がトップとなり、決勝も2番手からスタート。決勝も順調に周回を進めていたが、序盤にコースアウトがあって、勝負権を失ってしまう。それでもしっかり4位完走を果たした結果、ランキングトップとの差を7.5ポイントまで詰めることとなった。
岡山国際サーキットを舞台とする第6戦は、2グループ開催の3時間レースとして競われ、ドライバー交代を伴うピットストップは2回、Aドライバーは60分以上の走行が義務づけられている。ウェイトハンデは40kgのままとあって、さらに重いチームより前でゴールしたいところだ。なお、今回ST-Xクラスは久々に7台での戦いとなる。
今回は2グループ開催の3時間レースとあって、午前にグループ2の決勝を行った後、午後からグループ1の決勝が行われた。そのため、ウォームアップは設けられず、日曜日はいきなりスタートということになった。今回もスタートを担当したのは鳥羽。7チーム中5チームがプロドライバーを投入する中、どこまで鳥羽が踏ん張れるかが、この後の鍵を握る。
2番手の車両がフォーメイションラップで動けず、ピットスタートを強いられ、さらにグリーンシグナルの点灯に素早く反応できたことで、「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」は3番手で1コーナーに飛び込んでいく。しかし、予選まで苦しめられていたアンダーステアは解消されておらず、1周目を終えたところで5番手に、2周目には6番手に後退。だが、鳥羽の意地はしっかり見て取れた。
スタートから1時間をわずかに超えた39周目にピットイン。ここで平木湧也にバトンが託される。6番手のままだが、どこまでジェントルマンドライバーに代わったばかりのライバルとの差を詰められるか注目された。62周目には、ついにコース上でひとつ順位を上げ、早い交代を行うチームが現れるたび、また順位を上げ続けて73周目には2番手に浮上。このまま順位を守りたいところだったが、そうはいかなかった。
残り42分となった86周目に、平木玲次に交代。その間に5番手となり、間もなく3番手がピット作業違反でドライビングスルーペナルティを課せられたため、チャンス到来かと思われたものの、逆転には10秒ほど及ばず。ただし、その前にいる車両との間隔も10秒弱。ひょっとしたら、ひょっとする。平木玲次は懸命に差を縮め続け、4番手とは1秒を切るまでに、3番手とも10秒を切るまでとしたが、そこでタイムアップ。「HELM MOTORSPORTS GT-R GT3」はトップとは同一周回の114周を走り抜き、5位でチェッカーを受けた。
この結果、ランキング2位こそ死守したが、チャンピオン獲得の条件は最終戦でポール・トゥ・ウィンを飾ってなお、トップの14号車AMGがリタイアの場合に限定された。
このレースウィーク通して、いいセットアップが見つからなくて。最後、ギリギリ4位争いまでは行きましたが、もう少し……。それは求めちゃいけないのかもしれないけど、楽にレースできる車、耐久である以上、無理してギリギリの領域で戦って、というのではないので、もう少しゆとりを持ちながら、トップ3を追いかけられるような環境であったら、いちばん良かったと思います。何か変えていかないと、次の新しいステップ踏めないと思うので、次の富士までにいろいろみんなで話し合って、いい形になれれば。今年は1勝もしていないので、最後の富士ではなんとか1勝だけは取りつけて、有終の美を飾りたいと思います。
レースウィーク通してアンダーステアが強くて、いろいろやってみましたが、なかなかいいセッティングや方向が見えなくて。すべてのセッションで沈んでいるような状態でした。方向性がまったく見えなかったのが、いちばんの敗因かなと思います。昨日より今日の方が良かったですが、それもちょっと誤魔化し的な、本当にギリギリで走らないとタイムが出ないような感じだったので、トップ3とはペース全然違っていたなとは、正直なところです。そのセットアップの進め方とデータ活用の仕方を考えないと、また同じようなことになってしまうと思います。最後の富士、1勝はしたいと思うので頑張ります。
全力でプッシュしましたが、あと少しのところが届かなくて。前に出られるよう自分のドライビングも試行錯誤しながら走っていましたが、何かひとつが足りなくて抜くまでには至りませんでした。今週通してスピードも足りなくて、チャンピオンシップ争っている車と比べて、明らかにペースとして劣っていた部分があったので、いいセット見つけられなかったのは反省点です。岡山のコースだけで言うと、すごくアンダーステアがきつかったので、そこを解消しないと富士でも苦労するだろうなというところがあるので、なんとしても富士ではいいセットを確立して、最後は頂点で笑えるように、チーム一丸となって頑張りたいと思います。
SUPER TAIKYU
ROUND 6QF
COMMENTS
YUTAKA
最初に僕が行った時は1コーナー、まだ濡れていて、2コーナーが乾き切っていないのと、あとアトウッドの入口が滑って、ヘアピンもブレーキするところが濡れていたので、制動が伸びましたが、それ以外は大丈夫でした。そんなにアタックは悪くはなくて、いい感じでは来ていましたが、他のチームと比べて早く行きすぎました。みんなは路面の回復を待ってからのタイムだったので、これだけ違うのかというのがあって。これはこれで勉強になりました。難しい状況の時は、そういうふうに考えてやらないといけないんだと。レースペースは今のところ3人とも悪くなさそうなので、決勝はチーム力でどうにかしていきます。
YUYA
けっこう行ったつもりでしたが……。鳥羽さんと玲次の予選を見てセットを変えていきましたが、すごく良くなったという感じではなくて、タイム差もコンマ6秒ぐらいあって、ちょっと辛い感じです。今週ずっとアンダーステアで、いろいろやっていましたが、解決しきれなくて、ここまでずれ込んできています。コンディションが向上してグリップ上がってきたら良くなってくるかなと思っていたら、雨降ってきたりしたし。ちょっとでもアベレージを上げられるように今夜探して、明日は何としても14号車より前に行けるようにしたいと思います。
REIJI
僕の時は完全にドライでセットアップの確認をしていましたが、今週いいバランスが見つけられなくて、Cドライバー予選でもまだ試行錯誤している最中でした。決勝は3時間と短いですから、いいバランスを見つけないとチャンピオンシップが厳しくなるので、しっかり準備したいと思います。