FIA-F4 ROUND 11&13&14MOTEGI2024.11.1-3

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ROUND 11&13&14
RACE REPORT2024.11.1-3

鳥羽豊が第13戦で今季2回目の表彰台に立つ
森山冬星にとっては、試練の週末に……

2024年の「HELM MOTORSPORTS」はFIA-F4は、過去最多となる4台体制で挑む。新設されたチャンピオンクラスには、第2戦で悲願の初優勝を遂げた森山冬星、2021年のインディペンデントカップ王者で、挑戦を厭わぬHIROBONを擁す。そしてJAF地方選手権タイトルがかけられ、名称一新のインディペンデントクラスは、2022年のチャンピオン鳥羽豊が引き続き参戦し、さらにFIA-F4ルーキーのSAKAI WILLIAMを加えた陣容になる。

メインレースのSUPER GTともどもFIA-F4は、悪天候に祟られ続けている。鈴鹿サーキットの第5大会は台風接近の影響で延期され、スポーツランドSUGOの第6大会はすべてセーフティカー(SC)スタートとなってレース1こそ成立したが、せっかく初の試みとして2クラスに分けて行われたレース2は、インディペンデントクラスこそハーフポイントながら成立したものの、チャンピオンクラスはSCの先導1周だけで赤旗終了となって不成立。前大会のオートポリスに至っては、予選とレース1がキャンセルされている。

レース2は全車が新品のドライタイヤを装着して臨んだが、やはりSCスタートとなり、その最中に鳥羽が痛恨のスピン。なんとか復帰はなったが、ドライビングスルーペナルティを課せられて勝負することなくレースを終え、また森山もマシントラブルでリタイアを喫している。いわば、ふたりとも本領を発揮できずじまい……だったわけだ。

しかし、この短いインターバルにおいて、鳥羽はモビリティリゾートもてぎでテストを重ね、森山はスペインで行われたモータースポーツのオリンピックとも言える、FIAモータースポーツ・ゲームスのFIA-F4に、日本代表として出場。フリープラクティス、予選、予選レース、そして決勝を走るごと順位を上げて、最終的に6位という結果を残している。狙っていたのは優勝だけに、満足はしていなかったが、いつもと異なる環境での戦いで得られたものは大きかったはずだ。

今大会の舞台、もてぎは言うまでもなくチームのホームコース。実力を思う存分発揮して欲しいものである。なお、今大会も森山と鳥羽の2人体制で臨む。

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QUALIFYING【公式予選】2024年11月1日(金)
【天気】くもり 【路面状況】ドライ

今大会はレーススケジュールが大幅に改められ、中止になったオートポリスの第11戦の代替レースも合わせた3レース開催となった。予選は金曜日の午後に実施され、土曜日の午前に第11戦を、午後に第13戦、日曜日の午前に第14戦が行われることとなった。予選のベストタイムでレース1の、セカンドベストタイムでレース2の、そしてレース1でのベストラップでレース3の、それぞれグリッドが決められるのは、過去の3レース開催時と共通。なお、タイヤは2セット使用が可能である。

逆に専有走行が1セッション減ってしまったため、セットアップやコース習熟が普段より入念に行われた。しかしながら、森山の車両にトラブルが発生、木曜日2回目のセッションを走れずということも。応急処置では対処できなかったが、そこは地元とあってファクトリーに戻って修復を行なったことで、金曜日の貴重な1セッションを森山は走ることができ、トップとはコンマ2秒差の1分58秒424を記して4番手につけていた。また、鳥羽も2分0秒254でクラス4番手と、ふたりとも本戦に向けて上々の手応えを得るまでとなった。

午後から予定どおり予選が行われ、まずはチャンピオンクラス。森山は計測2周目からアタックを開始し、3周目に1分58秒802を記した後にクールダウンを1周挟み、1分58秒777にまで縮めるも、その後の2周はタイムダウン。ラスト2周でようやく1分58秒648、1分58秒754を記録してベストタイム、セカンドベストタイムとしたが、練習タイムを上回れず。第11戦は12番手、第13戦は11番手から臨むこととなった。

続くインディペンデントクラスでは、結論から先に言うと、鳥羽も練習タイムを上回れなかった。計測2周目からアタックするも、4周目にようやく2分1秒台を切る、2分0秒674を出し、次の周は縮められなかったものの、6周目に2分0秒514をマークして、これがベストタイムに。ラストアタックは勢い余って最終コーナーでスピンし、第11戦は6番手、第13戦は7番手から臨むこととなった。

気になるのは土曜日からの天気である。予報では、また忌まわしき『雨マーク』が! またウェットコンディションでぶっつけ本番とならないことを、現時点では祈らざるを得なかった。

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  • DRIVERMORIYAMA
    TOSEI

    う〜ん、よくわからないですね。急にバランスが悪くなって。午前の練習では良くなっていたんですが……。今、見えていないので、どうするか、これから話し合います。自分的には全然大丈夫です。

    森山冬星
  • DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    車は悪くなくて、悪い感じで走ってはいないんですよ。練習走行からあまりに突っ込みすぎていてタイムを落としていたから、引いてアプローチしたらタイムが上がってきたので、ニュー(タイヤ)になったからといって、突っ込んでいってもタイム落とすだけだと思って。引き気味でやっていたんですが、今になってはそれが良くなかったのかな、と思っています。最後の最後にスピンまでしちゃったし、もう結果は結果なので……。しょうがないです。決勝は雨でしょうが、SCスタートでないことを祈ります。

    鳥羽豊
  • DIRECTORHIRAKI
    YUYA

    森山の車がトラブルで昨日走れなくて、今朝のフリーは良かったんですが、予選セット外しちゃって、いいところ行きませんでした。鳥羽さんはいろいろセットを試しているところで、なかなかベストが揃わないのが問題だと思っています。いいところ取りしていけば、問題ないんですけど、そこは詰め切れないのかなと。明日は雨のようで、レースができるかどうかのレベルの話なので、それも含めてセットを試そうと。後半戦入って調子良くないので、いろいろ見直さなければ行けないな、と思っています。

    平木湧也

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RACE1【決勝レース 第11戦】2024年11月2日(土)
【天気】雨 【路面状況】ウェット

案の定、土曜日は朝から雨模様……。ただし、そう雨足は強くなかったことから、第11戦は鳥羽の切なる願いが届いて、スタンディングスタートとなった。オープニングラップのうちに、ひとつ順位を上げた森山は11番手からレースを開始。そして絶妙のダッシュを決めた鳥羽は、3コーナーまでに3番手に浮上する。

だが、最終コーナーでクラッシュが発生。早くもSCが導入される。雨の勢いが増したこともあり、先導は6周目まで続いた。リスタート後に、森山に痛恨のコースアウトがあり、15番手まで順位を落としてしまう。さらに鳥羽の前には、コースアウトして戻ってきたチャンピオンクラスの車両が……。ふたりにとって「魔の周回」となってしまった。

3コーナー脇に止まっていた車両もあったことから、再びSCが導入され、時間はいたずらに過ぎていく。そして10周目を終えたところで、規定の30分に達したため、SC先導のままチェッカーが3周早く振られた。

森山が15位、鳥羽がクラス4位のはずだったが、フォーメイションラップでコースアウトし、元の順位に戻してしまった鳥羽は、10秒加算のペナルティで9位に降格。またしても雨に翻弄されてしまった格好だ。

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RACE1
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  • DRIVERMORIYAMA
    TOSEI

    車がまったくブレーキ行けない、リヤロックする、まったくグリップしない、話にならないぐらい走らないので、改善の余地がわかりません。抜けると思って行ったら、リヤロックして、そのまま飛び出したという感じです。後半戦、調子悪いので、どこが悪いのか話し合わないとダメだな、という感じです。

    森山冬星
  • DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    スタンディングスタートになって、やったと思って。スタンディングなら絶対負ける気がしないので。3コーナーまでに3番手まで上がれたので、あとは前を追いかけようと思っていたら、ひとり前にチャンピオンクラスの車がいて、途中で回ってくれたから良かったけど、今度は飛び出して戻ってきた車に入られて、またSC入っちゃって全然レースになりませんでした。結果はともかく、エンジニアにも言われたんですけど、『流れが大事』だと。『スタートで上がれたことを次につなげなさい』と言われているので、次のレースも頑張っていきたいと思います。

    鳥羽豊

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RACE2【決勝レース 第13戦】2024年11月2日(土)
【天気】雨 【路面状況】ウェット

午後の第13戦も雨はやむことなく、再びウェットコンディションの戦いとなった。スタンディングスタートでの開始とあって、オープニングラップのうちに鳥羽はクラス7番手から3ポジションアップに成功。逆に森山は12番手と、ひとつポジションを落としてはいたが、前から遅れずに続いていた。

だが、接戦だったことが森山にとっては災いした。4周目の最終コーナーで前の2台が接触。これを避け切れずグラベルに飛び出し、あえなくリタイアとなってしまったからだ。そのため、2周にわたってSCが導入され、リスタートから間もなくトップが5コーナー先でスピンしてしまう。これで鳥羽は労せずして3番手に浮上するが、ヘアピン脇で止まった車両があり、またもSCが導入される。

2周で先導が終了すると、鳥羽は前を行く車両を激しく攻め立て、最終ラップとなった12周目の5コーナーで逆転に成功。2位となって、今季2回目の表彰台に上がった。

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RACE2
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  • DRIVERMORIYAMA
    TOSEI

    当たった車両は2台とも走り続けて、僕だけ止まったのはしょうがないですね。わざとやったわけじゃないし、僕も気にはしていません。というか、あのあたりを走っていたのが悪かったんですから。車はちょっとアジャストできていましたが、まだ完全ではありませんでした。明日はドライだと思うので、なんとか流れを取り戻したいですね。

    森山冬星
  • DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    車がとにかくいい。というか、これが普通なんだと思う。アンダーもまったくないし、ブレーキも突っ込んでも止まるし、リヤが変なオーバーになることなく、踏んでいけちゃう。スピード的にはけっこうあったと思います。いろんなチャンスが巡ってきて、ラストラップの5コーナーだと決めていて、その前の3、4からちょっと突っ込み入れてスピード乗せて、ブレーキ勝負。いい感じで終われて良かったです。エンジニアに感謝しかないですね、こんな車に仕上げてくれて。正直、びっくりした。車って、セットアップでこんな変わるのかって。あの感覚で、明日ドライを走らせてもらったら、ちょっと自分でも楽しみだなぁ。ドライもめちゃくちゃいいですし、明日も行きますよ!

    鳥羽豊

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RACE3【決勝レース 第14戦】2024年11月3日(日)
【天気】晴れ 【路面状況】ドライ

日曜日のもてぎは、朝から青空が広がって、路面には一部にウェットパッチが残されていたが、ライン上は完全ドライと言っても良かったほど。第11戦のSC中を除くベストタイム順にグリッドが決まるのは前述のとおり。森山は11番手、鳥羽はクラス3番手からの発進となった。森山はポジションキープ、鳥羽はふたつポジションを落として1周目を終了。

2周目、またしてもインディペンデントクラスのトップが3コーナーでストップ。鳥羽は4番手に上がるも、SCが導入されてしまう。2周の先導後も前を追い続けるが、6周目の3コーナーでコースアウトしたチャンピオンクラスの車両が横転。森山が10番手に上がった一方で、その直前に、順位を落としたチャンピオンクラスの車両が鳥羽の前に入ってしまう。

当然、SCが再び導入され、第11戦同様、そのままチェッカーが振られる可能性もあったが、1周の超スプリントが許されることに。リスタートからのダッシュが決まらず、森山はふたつポジションを下げた一方で、鳥羽はポジションキープかと思われた。だが、S字コーナーでアンダーステアを出し、姿勢を乱した鳥羽は先行するチャンピオンクラスの車両と接触。これがペナルティの対象となり、40秒加算……。4位から13位へと退き、ポイント獲得ならず。逆に森山は先行車両のペナルティでひとつ繰り上がったものの、11位でやはりポイントを獲得することはできなかった。

ちなみに、3戦ともすべてタイムアップとなって、当初予定の13周を走り切ることはできずに終わっている。

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  • DRIVERMORIYAMA
    TOSEI

    つらいです、今は。スタートは良かったんですけど……。戦っていても、あんまりフィーリング良くなかったので、まぁ、限界でした。最終ラップはそもそもブレーキで行けないので、順位を下げてしまいました。

    森山冬星
  • DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    スタートはうまくいって、ラインもいいところに出たんですが、後ろの2台が突っ込んできて、ホイールが当たるぐらい詰めてこられて。ここでリスク犯してもしょうがないと思って、そこは引いたんですよ。引いて即SCになって、まったくレースができない状態。周回あればペースはこっちの方が良かったので、行けるのは全然行けたんですが、なんかうまくいかなかったというか。最後の週に気合い入れて行ったんだけど、最後にアンダーが消し切れなくて。昨日と違って路面が悪かったせいか、アンダーきつくて、そこはちょっとしんどかったですね。もう一回エンジニアと話して、どうするか今後。でも、トラクションとかコーナリングはすごく感触が良かったので、鈴鹿でももっと戦えると思います。頑張ります。

    鳥羽豊
  • DIRECTORHIRAKI
    YUYA

    昨日から大幅にセットを変えたというのが森山の方にはあって、なかなかペースを上げられないようでした。僕たちも迷っているところがちょっとあって、後半戦あまりいい結果が残せていないのは、セットの方向性がぶれているのかもしれません。そこをなんとか見つけ出さないと、最終戦も厳しいかも……。鳥羽さんはミスさえしなかったら上位にいるので、確実にその精度を上げていけば、問題ないと思います。何はともあれ、次の鈴鹿まで少し時間があるので、テストを含めて、いろいろセッティングをやり直そうと思っています。

    平木湧也

NEXT RACE

例年であれば、もてぎはSUPER GTともども大団円を迎える場でありましたが、鈴鹿大会が延期されたため、12月7〜8日に最後の戦いを残すことになりました。12月のレースはFIA-F4では初めてですが、寒いだろうことは大いに予想がつきます。いったい、どのぐらい寒いのか? タイヤはしっかり温まってくれるのか、しかし冷たい空気がエンジンを心地よく回してくれるのは間違いありません。よほどの悪条件でもない限り、レコードラッシュは必至です。こと今大会は、鳥羽選手の第13戦以外は悔しさが残る結果になりましたが、何より“終わり良ければすべて良し”という内容、結果になって欲しいものです。

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