FIA-F4 ROUND 1&2FUJI2024.05.03-04

FIA-F4
ROUND 1&2
RACE REPORT2025.05.03-04

第2戦で森山冬星が初優勝、チームにとって4年ぶりの勝利をもたらす
HIROBON、WILLIAMも第2戦で揃って入賞果たす

2024年は「HELM MOTORSPORTS」にとって、新たな挑戦の年となる。まずは、すでに開幕戦を終えたSUPER GTのGT300クラスへの出場。そして、FIA-F4選手権には4台体制で挑むことになったからだ。

今年から新設されたチャンピオンクラスには、森山冬星とHIROBONが新加入。森山はFIA-F4が2年目、昨年の最上位は2位で、ランキングでは5位のドライバーだ。そして、HIROBONは2021年のインディペンデントカップのチャンピオン。あえてのチャンピオンクラス参戦となる。

そしてインディペンデントクラスには鳥羽豊が継続して参戦し、王座奪還を目指す。そして新加入のSAKAI WILLIAMにとっては今大会が初レースとなる。ただし、練習やテストはしっかり行っており、走りに心配は無用。なお今大会、鳥羽は海外レース出場のため、欠場となる。

第1大会の舞台は富士スピードウェイ。ゴールデンウィークの真っ只中の開催は例年どおりながら、大きな変化は今年から使用するマシンが第2世代に改められたこと。シャシーはMCS4-24に、エンジンはトムスTMA43に。これまで積み上げてきたノウハウやデータがリセットされることによって、勢力図に変化が現れる可能性は十分にある。

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QUALIFYING【公式予選】2024年05月03日(金・祝)
【天気】晴れ 【路面状況】ドライ

FIA-F4の専有走行は2日間に渡って行われたが、初日は雨に見舞われたため、3人とも走行を見合わせたものの、2日目は天候が回復。完全なドライコンディションであったことから、それぞれ精力的に走り込んでいた。

森山のベストタイムは1分45秒534で、これはトップからコンマ5秒と遅れず。ニューマシンでドライコンディションを走るのは、このレースウィークが初めてというHIROBONは1分47秒748に留まっていたが、その意味でいえば、タイムアップの余地はまだありそう。そして、WILLIAMは1分48秒268を記録していた。それぞれターゲットタイムとしつつ、予選ではどれだけ短縮するか注目された。

今年から若手を主体とするチャンピオンクラスが設けられ、インディペンデントクラスと分かれて予選が行われるが、これが専有走行の段階から「以前より集中して走れる」と互いに大好評。高い精度の走りが求められる予選では、さらに効果的に機能した。

5月3日の早朝7時45分からチャンピオンクラスの予選が行われ、森山は計測2周目、3周目にトップに立つ。だが、まだタイヤが温まりきっていないタイミングではある。その後、いったんトップは明け渡していたものの、徐々にタイムを詰めていき、計測6周目に1分45分123をマークしてトップに返り咲き、1周クールダウンを挟んで、さらなるタイムアップを狙った森山。この間にトップは奪われたとはいえ、ラストアタックで記した1分45秒221はセカンドベストとしては最速。その結果、レース1は2番手、レース2はポールポジションという好結果を得た。もちろん決勝で目指すは、チームとして久々の優勝、そして森山自身にとっての初優勝だ。

一方、HIROBONも徐々にタイムを刻んでいき、計測8周目に1分46秒998をマーク。ラストアタックで記録した1分47秒057がセカンドベストとなった結果、レース1、レース2ともに20番手で臨むこととなった。レース巧者として知られるだけに、ここまだどこまで順位を上げるか注目される。

続いてインディペンデントクラスの予選が行われ、WILLIAMは周回を重ねるごと着実にタイムを縮めていく。そして、ラスト二発のアタックで1分49秒311、1分48秒931をマーク。レース1、レース2ともにクラス10番手からスタートを切ることとなった。

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  • DRIVERMORIYAMA
    TOSEI

    手応えは良かったですね。マシンのアジャストが決まって、あとは僕だけだと思っていて、予選を集中して頑張りました。もっと調子悪かったので、本当は。どんどん上がっていって、自分もチームも自信ついて、いい結果で終われたので良かったです。決勝は着実に行けるように、頑張りたいと思います。開幕戦なので確実に、ペナルティとか初歩的なことをしないように頑張ります!

    森山冬星
  • DRIVERHIROBON

    ちょっと慣れましたけど、まだまだですね。ちょっとずつ前は見えてきました。6秒9、なんとかという感じです。やっぱり、まだまだですね

    HIROBON
  • DRIVERSAKAI
    WILLIAM

    ラストラップにいちばんいいタイムを出せましたが、もうちょっと時間あれば、もう少しタイムを縮められたと思います。次第に慣れつつ、少しずつ刻んでいくことができたので、自分としては納得の予選でした

    SAKAI WILLIAM

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RACE1【決勝レース 第1戦】2024年05月03日(金・祝)
【天気】晴れ 【路面状況】ドライ

決勝レースのグリッドもSUPER GT流。チャンピオンクラスとインディペンデントクラスが完全に分けられ、それぞれで並べられる。鳥羽が得意とした“下剋上”が見られなくなるのは少々残念ながら、クラスごとのバトルに専念できるのだから、メリットは大きそうだ。

広がる青空には富士山が映え、またスタート直前の気温は23度と、いたってさわやか。ただ、路面温度はすでに39度を超えており、タイヤへの負担は大いに気になるところである。

フロントローからスタートした森山は、鋭いダッシュでポールシッターにも迫ったものの、逆転するまでには至らず。だが、少しも遅れることなく続いて逆転の機会を待ち、また後続のバトルが激しくなったことで、2周目には完全に一騎討ち状態とした。トップよりペースで優る森山ながら、固いガードに阻まれ、なかなか前に出ることができない。勝負に出たのは5周目のコカコーラコーナー。しかし、並ぼうとしたタイミングでトップのリヤと、森山のフロントが接触し、姿勢を乱したトップはレールガートに当たって、リタイアとなってしまう。

幸い、森山のマシンにはダメージなく、トップに立った後は後続を抑え続けていたが、8周目から11周目にかけてセーフティカー(SC)が導入され、差が一気に詰まってしまう。さらにSCの先導が終わると間もなく、森山に対してドライビングスルーの指示が。先の接触が危険行為と判定され、ペナルティを課せられたのだ。ピットに入ったことで、大きな遅れを取り、森山の今季最初のレースは15位に終わった。

一方、HIROBONは得意のスタートを決め、一気に順位を上げて1コーナーに飛び込んでいくが、先行する車両のブレーキングが早くて避けきれず。その際にフロントウイングを痛めてしまう。順位を大きく落としたばかりか、ペースも思うように上げられず。SCラン明けには修復を命ずるオレンジボール旗が提示され、10周目にピットに戻って無念のリタイアを喫することとなった。

そしてインディペンデントクラスのWILLIAMは、まずはポジションキープからレースを開始し、前を行く車両を追いかけながら、バトルを演じていた。しかし、7周目のヘアピンで、先行する2台が接触し、かわそうとするも行く手をふさがれて追突という不運が……。再び走り出すことはかなわず、やはり無念のリタイアとなった。

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  • DRIVERMORIYAMA
    TOSEI

    当たっちゃったんです。申し訳ないしかないですね、僕的には。自分にも腹立ちますし、絶対に勝てたので。自分でやったことなので反省して、明日、勝つしかないですね

    森山冬星
  • DRIVERHIROBON

    1コーナーで前のマシンも詰まって、急に『ガン!』と。スタートが得意で、決まった後にけっこうグイグイ行っていたから……。明日、取り戻します

    HIROBON
  • DRIVERSAKAI
    WILLIAM

    ヘアピンで、前の車がやり合っていて、前の車がスピンしちゃって、そのまま行き場がなくて、突っ込んでしまいました。スタートはすごく良くて、発進は良かったんですよ。途中までいいバトルできましたが、残念な結果になってしまいました。でも、めっちゃ楽しかったです。みんな、ペースはほぼ同じぐらいで、いいバトルしていたので。明日も頑張ります、完走できるように!

    SAKAI WILLIAM

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RACE2【決勝レース 第2戦】2024年05月04日(土・祝)
【天気】晴れ 【路面状況】ドライ

第2戦が行われた5月4日は、早朝からパドックがざわついていた。決勝グリッドの改訂版が出され、そこにはトヨタやホンダ、メーカー育成ドライバーら10名の名前が記されていなかったからだ。練習走行や予選を含み、第1戦でエンジントラブルが多発したため、「ドライバーの安全を担保できない」というのが理由だった。

ポールシッターの森山を始め、フロントローのふたりはそのままながら、3番手以降のグリッドが繰り上げられることに。これにより、HIROBONは7ポジション上げ、13番手から、そしてインディペンデントクラスも第1戦のウィナーがエントリーを取り消したため、WILLIAMもひとつ順位を繰り上げてクラス9番手からスタートすることになった。

コンディションは、またしても最高。サーキット上空には雲ひとつなく気温は22度で、観客席のファンにとって絶好のレース観戦日和だったはず。路面温度は27度にも達していたが、第1戦の様子であれば、不安を感じずに済みそうだ。

スタートで、2番手のドライバーがストール! しかし、それを差し引いても森山のスタートは大成功、早々に差を広げてスタンド前に戻ってきた時には、ほぼ1秒のリードが。そのまま逃げたいところだが、1コーナーで接触が相次ぎ、止まった車両を回収するため、またもSCが導入される。

しかも、そのアクシデントに巻き込まれていた、ひとりがWILLIAMだ。後方からの追突で、右リヤのホイールを痛めてしまう。スタートを決め、さらにストレートで1台を抜いてきたばかりだというのに……。やむなくピットに戻って、タイヤを交換。SCラン中だっただけに、ロスは最小限で済んだが、ラップダウンにはなってしまった。

せっかくのリードを失った森山ではあったが、リスタートを決めて後続を寄せつけず。いったんは1秒3も離したが、終盤にはコンマ5秒を切るまでに2番手に迫られてしまう。だが、1分45秒台で安定のラップを刻んでいるあたり、プレッシャーを感じているようではなさそうだ。もちろん逃げ切って、チーム加入から2戦目にして初優勝! HELM MOTORSPORTSにとっては、2020年の最終戦、平木玲次以来のオーバーオールウィンとなった

一方、HIROBONはまたも得意のスタートを決め、2台を仕留めて11番手に浮上し、SCラン後の1コーナーで2台が絡んで、順位を落としたことから9番手に上がる。7周目にスタート出遅れた車両に抜かれるも、まだまだポイント圏内。11周目に前を走っていた車両が、トラブルでピットに入ったことで9番手に順位を戻す。そのままチェッカーを受け、9位入賞を果たしている。WILLIAMはクラス9位で、やはり入賞となった。

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  • DRIVERMORIYAMA
    TOSEI

    スタートはめっちゃ決まったので、たぶん2番手の人がストールしていなくても、トップは守れたと思います。リスタート後も離せたのに、途中から向こう(2番手)が上がってきたので、『なんでかな?』と思ったんですけど、僕は精いっぱい走ったので。でも、ラップ落とさずに走れたので、それは良かったです。初優勝、最高ですね! でもメーカー(育成のドライバー)出て欲しかったですね。でも、勝ちは勝ちですし、ポールも獲っていますし、いろいろポジティブな面が多いですし、次の鈴鹿は自分も自信あるので、頑張ります!

    森山冬星
  • DRIVERHIROBON

    スタートは今日も良かったです。でも、ストレートで差が出ちゃったですね、今回。まだまだ……。でも、ポイント獲れました。もっと走り込みは必要ですが、次の鈴鹿は走り慣れているので、車もしっかり作り上げていきます。

    HIROBON
  • DRIVERSAKAI
    WILLIAM

    スタートはすごく良くて、いい感じで走っていましたが、1コーナーを回ったところで右後ろ、突っ込まれて。ホイールが壊れて、そのまま1周してSC中にピットインして右後ろのタイヤを換えてもらいました。そのあとは普通に自分のレースができて、完走できました。何もなかったら、けっこういい成績を残せたと思いますが、しょうがない。鈴鹿でも頑張って、攻略していきたいです。

    SAKAI WILLIAM
  • DIRECTORHIRAKI
    YUYA

    今週、この車で初めてのレースということで、セッティングをチームのみんなでいろいろ試して、やっと予選直前にいい車に仕上がりました。このレースウィークは厳しいかなと思いました、テストの段階では。でも、本当にいい感じに仕上がって、予選も行けました。森山選手は2連勝できそうな雰囲気でしたが、昨日はね……。優勝争いでしたし、開幕戦だということもあって、『イケイケ』で行き過ぎたところもありましたが、今日はしっかり取り返して、本当に幸先のいいスタートを切ってくれました。
    HIROBON選手は今週この車で初めてドライを走る、難しい状況でしたが、最後はチャンピオンクラスでポイント獲ってくれました。今年は若手にチャレンジするということで、しっかりポイント獲れたのはかなり大きいと思います。
    WILLIAM選手は、この車にまだ馴染めていない中、昨年から準備してきて、大きなミスなく、最終ラップにベストタイムを毎セッション更新していくぐらい、タイムを重ねていってくれました。ただ、決勝は中団の危ないところだったので、昨日も今日も巻き込まれてしまいましたが、最後はしっかり完走できたことは、大きいと思います。
    次の鈴鹿は、まだテストができていないので、いろいろ車の不具合も出ているようですし、そこはしっかり対策しながら、準備していこうと思っています。

    平木湧也

NEXT RACE

次回のFIA-F4、そしてSUPER GTは、6月1〜2日に鈴鹿サーキットで開催されます。FIA-F4のレースウィークはレース1とレース2が、3人揃って対照的な結果になりましたが、『終わり良ければ、すべて良し』です! 鈴鹿では2レースとも全員が笑顔で追われることを期待します。特に森山、HIROBONにとってはホームコースで、隅々まで知り尽くしています。また、WILLIAMはセッションごと、周回ごとにタイムを縮めており、伸びしろは底知れず。そして、鳥羽も戦線復帰! 冴えた速さを必ず見せてくれるはずです。引き続きの応援、よろしくお願いします。

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