FIA-F4 ROUND 3&4SUZUKA2024.06.01-02

FIA-F4
ROUND 3&4
RACE REPORT2024.06.01-02

森山冬星が第4戦で2位入賞、今季2度目の表彰台に立つ!
第2世代FIA-F4初レースとなった鳥羽豊にとっては、試練の週末に……

2024年の「HELM MOTORSPORTS」はFIA-F4は、過去最多となる4台体制で挑む。新設されたチャンピオンクラスには、第2戦で悲願の初優勝を遂げた森山冬星、2021年のインディペンデントカップ王者で、挑戦を厭わぬHIROBONを擁す。そしてJAF地方選手権タイトルがかけられ、名称一新のインディペンデントクラスはFIA-F4が本格レースデビューとなるSAKAI WILLIAM、さらに2022年以来となる王座返り咲きを目指す鳥羽豊という陣容になる。なお、前大会を欠場した鳥羽にとっては、これが今季国内初レースだ。

富士スピードウェイでの前大会では第1戦こそ森山、HIROBON、WILLIAMが揃って無念の結果となったが、第2戦は森山が悲願の初優勝を飾り、HIROBONが9位入賞、そしてWILLIAMがクラス9位と揃って結果を残した。第2大会の舞台は鈴鹿サーキット。特に森山とHIROBONにとっては育ちの場所であり、最も走り慣れたサーキットだ。鳥羽も2022年に4戦3勝と相性抜群。WILLIAMは実戦としては初となるが、鈴鹿でのテスト走行の経験はあり、いかに早く攻略できるか。ドライバー4人とチームが、笑顔で終われることが望まれる。

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QUALIFYING【公式予選】2024年6月1日(土)
【天気】晴れ 【路面状況】ドライ

台風1号の接近で天候悪化が懸念された専有走行だが、木曜日はまだ影響を受けず、終始ドライコンディションが保たれた。金曜日の未明に台風は熱帯性低気圧に変わったものの、それでも早朝の路面を濡らし、完全にドライコンディションとなったのは最後の混走のセッション、それも後半のみ。ここで気を吐いたのが、森山で2分8秒279をマークして2番手に。前回からの好調ぶりを引き続きアピールしていた。一方、HIROBONは2分12秒104、鳥羽は2分13秒278、そしてWILLIAMは2分15秒599がそれぞれのベストタイムながら、セッションごとタイムは縮めており、まだまだ伸び代はありそうだ。

予選はクラスごとに分かれて競われ、8時35分から20分間の計測で、チャンピオンクラスからの走行となった。前日の雨はもう残っておらず、気温は25度、路面温度は27度と、このあたりは想定どおりのコンディションだ。

森山はすぐにコースインせず、一呼吸置いてから走行を開始。これでしっかりクリアラップを取ることができ、またウォームアップに2周を充ててから、いよいよアタックし始める。すると記録された2分7秒842は、その時点でのトップタイムに。次の周にはトップを明け渡してしまったが、セカンドベストタイムとなる2分7秒984をマーク。さらに、その次の周には2分8秒265を出すに留まったことから、これ以上のタイムアップは果たせずと判断。残り3分の段階でピットに戻ることに。その結果、第3戦は3番手ながら、第4戦は2番手から決勝に臨むこととなった。

専有走行では2分12秒台が壁となっていたHIROBONながら、計測2周目には2分11秒台に乗せ、さらに計測5周目から2周に渡って2分10秒台を出すと、ついに2分9秒905にまでタイムアップ。さらにラストアタックでセカンドベストタイムとなる2分10秒493を記したことで、決勝は2戦とも17番手からスタートすることになった。

9時5分から、続いてインディペンデントクラスの予選が、やはり20分間の計測で始められた。鳥羽、WILLIAMともにコースオープンと同時に走行を開始。鳥羽は先頭で戻ってきて、完璧にクリアラップが取れる状態でコースを攻め立てる。計測2周目には2分11秒254を記して、このレースウィークのベストタイムとするとともにトップに浮上。その次の周に、若干タイムを落とした間にトップを奪われてしまうも、計測4周目には2分10秒988にまでタイムを上げて自己ベストを更新。計測5周目にはタイムを落としたことから、チェッカーを待たずしてピットに戻るも、その直後にタイムアップするドライバーが。その結果、第3戦は3番手から、第4戦は4番手からのスタートになった。

一方、WILLIAMは2分16秒台からの走り出しとなり、前大会同様タイムを徐々に詰めていく。その結果、最終ラップに記した2分14秒594をレースウィークの自己ベストとするとともに、セカンドベストタイムも2分14秒944に。2戦とも16番手から、どこまで順位を上げてきてくれるか注目される。

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  • DRIVERMORIYAMA
    TOSEI

    あんまりスリップを使うつもりはなかったので、少し間隔を空けて走行を開始しました。アタックをミスっちゃって、7秒6まで行けたか、行けなかったところでしたが、トップは速かったですね。今シーズンはチャンピオンを狙っているので、決勝では普通にレースするだけです。とりあえずポイントをしっかり獲れるように、表彰台はマスト。明日は2番手なので、もっとチャンスありそうです。頑張ります、勝ちます!

    森山冬星
  • DRIVERHIROBON

    昨日までけっこうドハマりして、いろいろやってもらったら、だいぶ良くなりました。先週、1回テストしただけなので、前回の富士と一緒で、徐々に慣れている最中なんですが、セットアップは決まっているので、ちょっとでも決勝では上に行きます。

    HIROBON
  • DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    たぶん全部まとめると、10秒5ぐらいまで来るんですよ。だけど、いろんなことがチグハグで、まとまらなくて。10秒出ていたので、これで大丈夫だろうと判断して帰ってきたんですけど、上のタイム出してきた人たちが最終ラップだったので、もう一発あったのかも。それはそれとして、レースで取り返すしかないので、ちょっと悔しいですね。向こうの車が決まっているのはよく分かっていますが、それ以外に技術でカバーして、決勝はいいところに行きたいと思います。決勝ではスタートがすごく大事だと思うので、そのあたりをもう一回見直します。

    鳥羽豊
  • DRIVERSAKAI
    WILLIAM

    まだまだ鈴鹿に慣れるので精いっぱいですけど、レースは頑張って付いていけるようにしたいです。タイムは着実に上がっているので、少しずつペース上げていって、はい、頑張ります!

    SAKAI WILLIAM

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RACE1【決勝レース 第3戦】2024年6月1日(土)
【天気】晴れ 【路面状況】ドライ

土曜の午後から決勝レース第3戦が行われた。気温は27度と、予選開始時とそう大きく変わっていなかったものの、路面温度は43度にまで上昇。ストレートに対する向かい風が気温こそ保ったものの、強く照らす太陽が路面温度を一気に上げたのだろう。

森山の蹴り出しは決して悪くはなかったが、それ以上に4番手の車両の伸びが優り、1コーナーまでにひとつ順位を落としてしまう。逆にHIROBONはスタートを決めて、一気に13番手にまで浮上する。

森山はすぐ再逆転を狙うも、1周目を終えぬうちにセーフティカー(SC)が導入される。S字でストップした車両があったためだ。先導は2周に及び、リスタートで狙っていくが、固いガードに阻まれてしまう。その後も遅れることなく続き、隙をうかがっていくものの、近づけばダウンフォースが抜けてしまう傾向が特に強い鈴鹿とあって、機会はなかなか訪れず。

デグナーでストップした車両があり、9周目から再びSCが導入されるが、やはり固いガードを打ち崩せず、4位のままフィニッシュ。森山にとって表彰台には届かず悔しいレースとなった。

一方、HIROBONは6周目に一台の先行を許したものの、前後を行く車両とのペース比較ではむしろ優るほどで、自ら前に出ることはかなわなかったものの、14位でゴール。予選よりも順位を上げたことで、また新たな手応えをつかんでいた。

インディペンデントクラスでは、今回が鳥羽にとって新型車両での初レースということもあり、スタートでエンジンストールさせ、大きく順位を落としてしまう。そのため、1周目を終えた段階の順位はWILLIAMに続く14番手だった。それでも最初のSCランが終了した後は順位を上げ続け、2回目のSCラン明けには7番手の車両が見える位置に。ひとつでも順位を上げようと執念を見せた鳥羽ながら、最終ラップの逆バンクで痛恨のコースアウト。リタイア扱いにはならなかったものの、13位となってポイント獲得は果たせずに終わった。

そしてWILLIAMは前で起こったアクシデントを慎重に、そして巧みにかわし続けて9位でゴール。しっかり2ポイントを獲得した。

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RACE
COMMENTS

  • DRIVERMORIYAMA
    TOSEI

    スタートは僕としては悪くなくて、横の車がより良かったのと、見えないんですよ、ミラーであっち側。死角なので。そこで行かれたのが良くなかったですし、ペース的にもそんなに良くなかったので、表彰台に上がれなかったのが悔しいです。でも、明日は2番手スタートなので、これからエンジニアと話し合って、明日に向けて頑張ります。

    森山冬星
  • DRIVERHIROBON

    スタートは良かったです! けっこうペースも、意外と良かったです。ちょっとミスもあって、抜ききれなかったところもあるんですが、順位を上げることができました。しかし、抜けないですね、ここは。フォーミュラだと余計に。ハコとは違うのを実感しましたが、ええ経験になりました。

    HIROBON
  • DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    いや〜、この車でスタートするのが実戦では初めてなので、クラッチのつなぎ方が難しいとHIROBONからも言われていて、ちょっと気をつけていたんですよ。とにかく1回やってみないと分からないから、タンとつないだら前に一切進まず。そのまま止まって、再スタートかけて追いかけていった感じです。いい感じではあって、ぐんぐんと抜いていけて、自分なりにはいい感じで走っていけましたし、SCが入ってくれてラッキーだなと。行くんだったら、とことん行こうと思って、いろいろ考えながら走っていたんですけど、(7番手に)追いついた直後の逆バンクでリヤがズル〜っと出ていって(カウンター)当てたんですが、間に合わなくて、それで終了。今回、初めてのスタートだったのでしょうがないし、イメージだいたい湧いたので、次のレースはいい感じで行けると思います。

    鳥羽豊
  • DRIVERSAKAI
    WILLIAM

    スタートは良かったったんですけど、あとはあちこちで荒れていて。そこは冷静に対処できて、確実に完走していこうと。前に付いていって、タイムをロスせずに走れて、いいレースでした。明日はもう一歩前に出て、頑張っていきたいと思います。

    SAKAI WILLIAM

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RACE2【決勝レース 第4戦】2024年6月2日(日)
【天気】曇り 【路面状況】ドライ

天気予報では、土曜日の好天から一転し、未明から雨に見舞われるとされていた日曜日だが、8時25分からのスタート進行が始まる前に、一瞬だけ雨が降るに留まり、決勝レース第4戦はドライコンディションでの戦いとなった。なお気温は25度と、それまでと大きな変化はなかったものの、路面温度は27度にまで下がっていた。

2番手グリッドにつけ、注目されたスタートを森山はしっかり決めて、ポールシッターにも迫る勢いを見せたが、1コーナー進入でインを固められて前に出るまでには至らず。それでもポジションを守って立ち上がっていった。そして17番手グリッドから、またしてもHIROBONは好スタートを切って、早くも15番手に浮上する。

1周目を終えた段階で、トップ争いは早くも三つ巴に。挟まれる格好となった森山ながら、少しも動じることなく周回を重ね、逆転の機会を待つ。3周目にはファステストラップとなる、2分8秒560を記録していた。だが、終盤のペースは今ひとつ。3番手の車両に8周目の1コーナーで迫られるも、しっかりインを閉めて逆転を許さず。しかし、その間にトップを逃してしまう。緊張感のある2番手争いは最後まで続いたものの、森山は最後までポジションを守り抜き、2位入賞を果たして今季2回目の表彰台に立つこととなった。

一方、HIROBONは中盤になって、前を行く集団からは離されてしまったものの、後続からはプレッシャーを感じることなく周回を重ね、15位でしっかりチェッカーを受けていた。

インディペンデントクラスでは、第3戦の反省を踏まえ、しっかり学習してきた鳥羽が無難なスタートを決め、まずは3番手キープからレースを開始。WILLIAMもまたポジションキープの14番手でレースを進めていく。

いったんは2番手から1秒離された鳥羽ではあったが、4周目にクラスのファステストラップ、2分11秒273を記して急接近。5周目のダンロップで攻略を試みるも、接近しすぎたゆえにダウンフォースが抜けてしまい、グラベルにリヤを落としたことで6番手に後退。再浮上を狙うも、固いガードに行く手を阻まれてしまい、クラス6位でのゴールが精いっぱいだった。

WILLIAMは後続車両とのバトルを楽しみながらのレースとなった。自力でのポジションアップこそ果たせなかったが、7周目の2コーナーでコースアウトした先行車両があり、ひとつポジションをアップ。最後はクラス14位でチェッカーを受けていた。

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RACE2
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  • DRIVERMORIYAMA
    TOSEI

    もちろん勝ちたかったですが、2位で終われたのは自分にとって自信つきましたし、レースウィークをこうやってうまく締めくくれたのは、やっぱりHELMさんの強さなんだと思います。ただ、完璧だったかと聞かれたら、完璧ではなかったんですが、ファステストラップ獲れたのはポジティブな部分ですし、バランス的にも良かったです。なのに、後半ちょっと厳しくなってしまったのは内圧なのか、よく分からないんですけど、データを見て、エンジニアさんと話をして、次の富士、鈴鹿で対処していこうと思っています。

    森山冬星
  • DRIVERHIROBON

    スタートはまた決まって、2台ぐらいパスできました。けど、やっぱり前の集団に、せめて付いていけるようじゃないと。もっと行きたいですね、次は。ポイント、早く獲りたいですし、また頑張ります。

    HIROBON
  • DRIVERTORIBA
    YUTAKA

    今日のスタートは、昨日の反省を活かして普通に行きました。前の車にダンロップでかなり近づいて「まだ行ける」って、そこで(アクセルを)ちょっと戻せば良かったんですけど、踏んでいったら、そのままアンダーでリヤをグラベルに落としてしまって……。まだ車にも慣れていないというのもありますし、セットアップにいろんな考え方があってやっているので、どれがいいのかまだ決まっていないんですよ。そのあたり、平木兄弟と一回話をしなくてはなりませんね。次の富士はまた出られず、また鈴鹿になりますが、鈴鹿は感覚つかめましたから、必ずリベンジしたいと思います。

    鳥羽豊
  • DRIVERSAKAI
    WILLIAM

    ずっと5ZIGENの方と一緒に、いいバトルができました。とりあえず無事完走! 自分のベストタイムを更新できたので、いいレースでした。もう一回、合間に練習に来て、また頑張ります。

    SAKAI WILLIAM
  • DIRECTORHIRAKI
    YUYA

    鈴鹿は抜けないコースなので、森山選手はスタートで2レースとも、そのまま順位になってしまいました。鈴鹿ではテストが1回しかできていなかったので、セットアップの方向が富士とはまったく異なっていて、各車揃えていくのが難しいレースウィークではありました。そんな中でも、みんな、いい車の状態に持っていけましたし、森山選手は今日、表彰台にも乗れたし、良かったと思います。

    全体的にタイムも僅差なので、あと何かを見つけるのが必要なのかと思っていますけど、チームの雰囲気はすごくいいですし、本当に良い結果を残そうと、みんなが思っている状況なので、すごくいい感じだと思っています。次の富士まで2か月空きますので、しっかり練習もして、見つける必要のあるものを把握していきたいですね。

    平木湧也

NEXT RACE

次回のFIA-F4、そしてSUPER GTは、8月3〜4日に富士スピードウェイで開催されます。第4戦では森山選手が2位入賞、HIROBON選手とWILLIAM選手は2戦とも予選より順位を上げて笑顔でレースウィークを終えましたが、今季国内初レースの鳥羽選手には、少々試練のレースウィークとなってしまいました。なお、鳥羽選手は次の富士こそ再び欠場となりますが、このまま終わろうはずがありません。きっとリベンジを果たしてくれるはず。期待しましょう! そしてHELM MOTORSPORTSの応援、引き続きお願いいたします。

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