

2024年の「HELM MOTORSPORTS」はFIA-F4は、過去最多となる4台体制で挑む。新設されたチャンピオンクラスには、第2戦で悲願の初優勝を遂げた森山冬星、2021年のインディペンデントカップ王者で、挑戦を厭わぬHIROBONを擁す。そしてJAF地方選手権タイトルがかけられ、名称一新のインディペンデントクラスは、2022年のチャンピオン鳥羽豊が引き続き参戦し、さらにFIA-F4ルーキーのSAKAI WILLIAMを加えた陣容になる。
今大会は本来なら9月に行われるはずだったが、台風接近の影響で延期になったため、このレースウィークでの開催となった。もちろん12月にFIA-F4が行われたことはなく、未知の要素は多い。天気予報によれば、ここまで祟られ続けた雨の心配はなさそうだが、かなり寒くなりそうだ。当然、路面温度も低く、ウォームアップには普段以上の周回を要するはず。それでもタイヤがしっかり機能してくれれば、冷たい乾いた空気がエンジンを気持ちよく回してくれることと相まって、予選では好タイムが期待できそうだ。その一方で決勝レース序盤のリスクは、かなり高くなるのではないか。
何より今季最後の大会である。ドライバーもチームも悔いを残すことなく、ハッピーエンドを期待したい。なお、今大会もHIROBONは欠場ながら、WILLIAMが富士スピードウェイでの第3大会以来の参戦となり、森山と鳥羽を合わせた3人体制で臨む。
土曜日午後からの決勝レース第7戦も、青空の下での走行となった。依然として寒いものの、そのことを考慮してフォーメイションラップは2周行われ、かなりタイヤには熱が入れられたはず。
森山は無難にスタートを切り、まずはポジションキープでレースを開始。しかし、1周目を終えた段階で、早くも先行する4台からは離されてしまう。それでも後方からの猛攻はしっかり抑え続けて周回を重ねていく。そんな中、130Rでコースアウトした車両があり、6周目から2周に渡り、セーフティカー(SC)が導入されてしまう。これで上位との差も詰まり、リスタート後のオーバーテイクに期待がかかるも、ホームストレートの短い鈴鹿ではままならず。それどころか、ヘアピンで2台が止まって再度SCが。残り1周で再開されるも、ポジションを入れ替えることはできず、森山は5位のままレースを終えた。
インディペンデントクラスでは鳥羽が絶妙のスタートを決めて、トップを守ったばかりか、チャンピオンクラスのドライバーも抜いていた。その2台を盾にして、2番手以下を大きく引き離すまでに。しかし、2回目のリスタート後に、その2台が予想外の動きをしたため、先行させたが、盾がなくなるや否や2番手の車両が一気に迫ってくる。それを察知した鳥羽は、冷静に対処。抑えるところはしっかり抑えて、最後はコンマ1秒差まで迫られたものの、逃げ切りに成功! 富士スピードウェイの第5戦以来となる、今季2勝目をマークした。
そしてWILLIAMも壮絶なサバイバル戦を耐えに耐え、最後は10番手でフィニッシュ。貴重な1ポイントを獲得した。
タイヤが温まって、前に追いついたら、SCが入ってしまったんですが、まぁ、しょうがないですね。明日は3番手からなので、ペースは悪くないし、スタートで前に出られれば、優勝のチャンスもあると思うので、明日、頑張ります。
スタートがめっちゃ決まりました! ちょっとだけ練習したんですけど、『これ、相当グリップ来ているな』と思って、回転上げないで普通の車みたいにスッとつないだら、ドカーンとグリップしてくれて、一気に前に出て。そこからも良かったですね。いい感じでペースも上げられたんですが、SC2回入られて最後はチャンピオンクラスに邪魔されて、その後に後ろが目を三角にして追いかけてきて! でも、何とか。鈴鹿は抜きどころないから。久々の優勝だから、泣きそうになっちゃいましたよ。ただただ純粋に嬉しいです。明日は2番手ですけど、何とか前に出て、もう1勝して終わりたいと思います。
とりあえず生き残りました(笑)。前の車にとにかく付いていって、詰めるところは詰めて、という感じでした。ライン取りもちょっと盗んで、なるべくポイント入るようにしました。スタートも頑張りましたよ!
日曜日の早朝に行われた第8戦は、上空に雲も浮かぶようになり、より温度を下げたようだ。第7戦同様、フォーメイションラップは2周、異例の時期の開催だけに、こういった配慮がありがたい。
今季最後のレース、注目されたスタートを森山はしっかり決めたが、その後の車速の伸びに優った車両に2コーナーでかわされてしまう。4番手で1周目を終えたが、2周目のS字でコースアウトした車両がありSCが導入される。先導は1周だけで終わり、4周目に切られたリスタートをうまく決め、前から離されずにいた森山だが、直後の1コーナーで3台が絡むクラッシュが。再びSCが導入されて、この時は4周にも及んだ。残り3周でバトルは再開され、引き続き必死に前を追い続けた森山だったが、抜きどころの少ない鈴鹿とあって、逆転のチャンスは最後まで訪れず。だが、最終ラップにファステストラップとなる2分8秒198を記録し、第7戦でチャンピオンを決めたドライバーをコンマ5秒差まで詰めて、意地は見せた。
4位でゴールした森山だったが、なんとトップが最低重量違反で失格に。ポディウムに立つことはできなかったが、3位という結果でシーズンを終えた。
インディペンデントクラスでは、予選トップの車両がストールで遅れ、鳥羽は労せずしてトップに浮上する。オープニングの1周だけで後続に1秒4のリードを奪うも、二度のSCランで、その都度2番手に差を詰められてしまう。最終ラップは完全にテール・トゥ・ノーズとなるも、またしても抑えるところはしっかり抑えて2連勝に成功! 最高の形でシーズンを締めくくることとなった。
一方、WILLIAMはトップのストールにより、オープニングラップのうちにひとつ順位を上げ、14番手で周回を重ねていく。このレースウィークの自己ベストとなる、2分12秒642をレース中に記すも、最終ラップのS字で痛恨のスピンが。それでも復帰することはでき、16位でチェッカーを受けた。
最終的なシリーズランキングは森山が5位で、鳥羽も5位に。そしてWILLIAMは18位となった。
スタートは決まったんですけど、後ろの伸びが思ったより良くて、行かれちゃったという感じでしたね。向こうは序盤も速かったし。タイヤが温まってからのペースは良くて、問題なかったんですけど、内圧来るのも遅くて。ベストは尽くしましたけど、チームには申し訳ないですね。とはいえ、4位と3位じゃ全然違うので、良かったです。ポジティブな要素は多かったです。来シーズンはまだ決まっていませんが、決まればチャンピオンを狙います。今年の反省をしっかりして、来シーズンにつなげられるように、シーズンオフもトレーニング重ねて、努力していきたいと思います。
2連勝ですよ、久々に戻って来ました。ペースは僕の方があるのはわかっていたので、タイヤが生きているうちは相当ギャップ開けていたんですが、SCで追いつかれてしまって。最後のSC明けは少しだけ駆け引きやらせてもらって、130Rの手前でギャップ作れたんで、あと3周、それで守りきれればと思っていて、その貯金が効いてくれたかなぁ。最後の130Rは死ぬ気で来ていたから、めっちゃ速かった! だけど、あの距離だとシケインで飛び込めなかったんでしょう。飛び込んできても準備はしていましたけど。いい感じで2連勝、もう最高のラストレースになりました。1年間、本当にありがとうございました。
最後にスピンしちゃって、巻き込まれちゃいました。今日は自己ベストのタイムを更新できたし、レースとしては良かったですけど、最後だけちょっと残念でした。スタートも良かったですし、頑張って走りました。来シーズンは冬場からテストを繰り返して、フル参戦できるように頑張っていきます。
鳥羽さんは普通に走れれば、あれだけ走れるのを証明できたかなと。今まで噛み合わなかったので、やっと鳥羽さんの実力かな、というところです。2連勝、連勝するっていうのは、なかなか難しいことなので、大きいと思います。森山も復活してきて、車もいろいろテストをかなり重ねたことで方向感が見えてきました。来年に向けてさらにテスト重ねて、さらにチームのランキングも上げていきたいと思います。予選もメーカーの間に入れているので、かなり大きいと思います。WILLIAMさんは、今回ぶっつけレースだったので、来年はもうちょっと練習できるようなスケジュールでやるという話ですし、適応能力は高いと思うので、コソ練してもらって頑張りたいと思います。
FIA-F4
ROUND 7&8QF
COMMENTS
TOSEI
スリップ使えれば、3番手には行けたと思うんですが、前がちょっと遅すぎて、スリップ使うの、リスクがあったので、単独でアタックして、という感じですね。自分としてはめっちゃ乗れていて、ノーミスだったので、振り絞ったタイムなので、まぁ、しょうがないと思います。決勝は荒れると思うので、しっかり完走して表彰台に上がれるように頑張ります。
YUTAKA
もう、忘れちゃいましたよ、ポールってこういうことなのかなって、車検場、通り過ぎそうになっちゃいました(笑)。昨日、悪くなかったんですよ、まとまっていないだけで。ただ、タイム的にはまったく上に追いつけるような状態ではなくって、昨日の最後に動画見ていて、いちばんカチンと来たのが、玲次くんに『なんか小さくまとまっていますね』って。『きれいに走っているだけで、なんか攻めている感、何ひとつないですね』って言われたのが、なんかすごくムカっときて(苦笑)、予選はとことん攻めてやるって思って、行ったんですよ。あれ、言われていなければ、小さくまとまっていたかもしれない。そういう意味では彼に発破かけられたの、感謝しているし、車の動きもやっぱり良くって、セットアップは本当に決まっていました。最後も少し失敗していて、うまくまとまっていたら、8秒入れられたかなって感覚があって。自分でも『えっ、俺、集中してんじゃん』っていうぐらい、集中していました。良かったです。
WILLIAM
赤旗の後のアウトラップに、まだタイヤが冷えていて、2コーナーの立ち上がりでスピンしちゃって、復活できたから良かったですけど。最後の方、いくつか失敗しちゃったんですが、ちょっとずつタイム上げていくことができたので、レースに向けてまた頑張っていきたいと思います。