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チーム結成から5年目、節目のシーズンを迎える「HELM MOTORSPORTS」は、新たなステージに挑む。国内最高峰レース「SUPER GT」のGT300クラスに、NISMOのオフィシャルパートナーチームとして活動することになった。
これにともない、第1ドライバーに平手晃平を招聘。チーム代表である平木湧也、そして平木玲次の3人でシーズンを戦っていく。併せて、監督には福山英朗が就任。NISSAN車で数多くの優勝、タイトルを獲得してきた経験を、采配に活かしていく。
マシンはもちろん、レースで勝つための車、NISSAN GT-R NISMO GT3で、信頼と実績のタイヤ、横浜ゴムとの強力なパッケージで優勝、そしてシリーズチャンピオンを目指す。
シリーズは全8戦で競われ、鈴鹿サーキットを舞台とする第3戦は、前回同様3時間レースとして開催。決勝レース中の給油を伴う、ピットストップの義務づけもまた2回となっている。
前回、富士スピードウェイで初めて行われた“3時間レース”では、予選こそ16番手に甘んじたものの、決勝ではじわりじわりと順位を上げて、10位でフィニッシュ。第一の目標としていたポイント獲得を、早くも果たしていた。初めてサクセスウェイトを積むこととなるが、わずか2kgとあって、大きな影響を及ぼすことはないだろう。引き続きの活躍が期待される。
天気予報には雨マークが出ていたが、どのタイミングに降ってくるのかは予報によってまちまちという、レースを戦うチームにとっては天候の読めない難しい状況で決勝日の朝を迎えた。早朝に小雨は降ったものの、大きくコンディションが変わるほどではない。
しかしウォームアップ走行の時間が近づくにつれ、雲行きが怪しくなってくる。そして、間もなくセッションが始まろうというとき、上空から大粒の雨が激しく落ちてきた。たちまち路面には水が溜まり、セッションはウェット宣言が出される。チームは慌ただしくウェットコンディションに対応するようセット変更やタイヤ準備を進めていった。
20分の走行を終え、スタート進行が始まる。すると、さっきまでの土砂降りが嘘のように一気に天候が回復。気温は25度、路面温度は34度にまで上がり、雨の蒸発で大幅に湿度も上がって、蒸し暑さを感じるようなコンディションで3時間の決勝レースがスタートすることとなった。
3戦目にして初のスタートドライバーを任された平木玲次は、オープニングラップの混戦をうまく潜り抜けて2ポジションアップに成功すると、さらに前を走るライバルたちに食らいついていく。SUPER GTを転戦する国内サーキットの中で最長の鈴鹿サーキットではあるが、わずか6周でGT500クラスが追いついてくる。
ここからはGT500クラスをうまく先行させながらGT300クラス同士で激しくやり合う、GTならではの戦いになっていった。平木玲次は難しい状況の中でも16周目に1台をかわし、23周目までをノーアクシデントで走行した後、平木湧也にバトンを託す。
全車が1回目のピット作業を終え順位が整理されたところで、第2スティントでの「HELM MOTORSPORTS GT-R」は15番手。途中、ホームストレート上に落ちたデブリの回収と、コース脇にストップしてしまった車両の回収のため、2度のFCY(フルコースイエロー)が出る場面もあったが、平木湧也はペースを乱すことなく周回を重ねていく。ライバルが先に2回目のピットに向かう間、徐々に順位は上がっていって7番手になった56周目にピットイン。最終スティントは平手に託される。
ピット作業を終え、最終スティントを18番手から臨んだ「HELM MOTORSPORTS GT-R」は、前にいる2台と背後の1台を合わせ4台がパックになった状態で、一気に2ポジションアップも可能なところにつけた平手は、62周目に逆バンクの立ち上がりで、まずは1台をオーバーテイク。さらにそのままスプーンでも1台をとらえ、この周で一気にふたつ順位を上げた。
15番手になった「HELM MOTORSPORTS GT-R」は、前方が開けたことでさらにペースアップ。68周目には2分2秒834のチームベストをマークする。まわりのピット作業がすべて終わったところで13番手。さらにここから74周目に1台、82周目にもう1台を捕らえて、ついに11番手まで浮上する。あと1台かわせばトップ10フィニッシュだったものの、無情にもチェッカーが振られてしまう。
2戦連続のポイント獲得はかなわなかったが、21番手スタートから実に10ポジションアップの11位。4台のGT-R勢の中では最上位で、2度目の3時間レースを終えた。
クルマの戦闘力としては、ストレートの部分を除いて十分まわりと戦えるところにいたかなと思いました。結果的にも21番手スタートから着実に抜いてポジションを上げてくることができたし、僕自身のスティントでも4~5台を自力でパスできたので、そういう意味ではいいパフォーマンスが出せたし、やっと自分たちのクルマのいいスポットにセッティングがはまってきたのかなという感触を持てました。次戦までにテストの機会があるので、この時間を有意義に使いたいですね。タイヤの開発ももちろんですが、ここまでやってきたセットアップを改めて見つめ直して、いい部分と悪い部分の再確認もして、万全な準備をして次戦に臨みたいです。
この週末、予選のように一発のタイムを出すのは非常に厳しかったのですが、レースペースは想定よりもだいぶ良かったです。また、まわりが思っている以上に速くなかったので、相対的にいいパフォーマンスで戦うことができました。実はピット作業で少し失敗があってタイムロスしているのですが、3人のドライバーが非常に安定したペースで走れていたので、順位を押し上げていけたと思っています。今回の鈴鹿にはテストができない状態で臨むことになりましたが、次戦の富士に向けてはインターバルでテストがあるので、前半戦で試せなかったいろいろなことにもトライしてデータを集めれば、さらにいい方向に進めると思うので、頑張ります。
今回はスタートドライバーを担当しました。できる限り全力でプッシュして、なんとか前の集団から離れないように走ることはできましたし、僕自身も3つぐらいポジションを上げることができました。僕の走行が終わった後も、ふたりのドライバーがすごくいいペースで走ってくれてポジションも上げられました。あと一歩ポイントには届きませんでしたが、今週の走り出しのことを考えるといい結果と内容のレースになったと思います。クルマのバランスも良くなってきましたし、次戦に向けての収穫もたくさんありました。次は何としても上位フィニッシュできるよう、インターバルも有効活用していきます。
今日はドライバーが本当によく頑張ってくれました。レースではまわりにトラブルやアクシデントが起きて順位が上がることは良くありますが、うちはそれで順位を上げることはあっても、下げることはなかった。今回も多少のラッキーはありますが、予選から大幅にポジションアップした11位という結果を見ると、少し地力がついてきたような気もしますね。ここから先も、経験とデータを積み重ねていくことが重要です。チームスタッフたちはたくさん経験を持っているメンバーだけど、重要なのはこのパッケージでの経験やデータを蓄積していくこと。インターバルにテストがありますから、そこでいろいろとデータを積み重ねていきたいと思います。
SUPER GT
ROUND 3QF
COMMENTS
KOHEI
今回はかなり大幅にセットアップを見直して持ち込んできましたが、公式練習でさらに進めていったところ、フィーリングとしてはだいぶ良くなりました。クルマのバランスも悪くないなという感触があるのですが、その手応えにタイムが見合っていないという感じです。自分たちとしてはベストを尽くした気持ちはあるものの、タイムや順位が伴わないのが何とも言えないところです。明日も耐えるレースにはなってしまうと思いますが、最後の最後まで諦めず、自分たちのレースを崩さずにノーミス、ノートラブルを目指して戦いたいと思います。
YUYA
前戦の富士で10位入賞という結果を得られたので、今回はシングルフィニッシュを目標に来ましたが、予定していたタイヤが使えず、クルマのセットアップに関してもゼロスタートという形になってしまいました。それでもみんなで力を合わせて、公式練習から予選と少しずついい方向に進んできてはいるので、明日もこの進化を止めないようにいきたいです。レースのアベレージタイムではまだ厳しい状況にあると思いますが、安定はしているので地道に着実に戦っていきます。
REIJI
今回もFCYトレーニングとサーキットサファリの時間でクルマの感触を確かめました。走り出しはあまりバランスが良くなかったようですが、いろいろとこまめにセッティングを変更して、だんだんいい方向には進んでいます。今週末は非常に厳しい状況の中、平手選手と湧也が最大限の走りをしてくれて、なんとかこの位置につけています。今回も3時間レースと長い戦いになるので、ミスなく地道に、コツコツと戦っていきます。最後まであきらめず、チーム一丸で頑張ります。
HIDEO
ここまで積み上げてきたところから、まったく違うものに対応しないといけない週末になってしまいましたが、その対応力という部分でよくチームが機能していると感じています。限られた時間の中で、ドライバーが正確にフィードバックし、それに対してエンジニアも即座に決断した。メカニックたちの動きにも熱があって、見ていて非常に気合が高まりますね。予選位置は非常に厳しいところにあるので高望みはできませんが、富士と同じようなポジションに今回も上がることができれば、我々のチーム力の高さを証明できるのではと考えています。一度ああいったレースができたとしても、それはまだ、たまたまの範疇。2戦、3戦と続けることで地力になりますから、まずはそういう目標を掲げていきたいですね。