SUPER GT ROUND 7AUTOPOLIS2025.10.18-19

SUPER GT
ROUND 7
RACE REPORT2025.10.18-19

思わぬハプニングで追い上げを強いられるも、
持ち前の粘り強さで前戦に続き
ポイント圏内でフィニッシュ

「HELM MOTORSPORTS」は、国内最高峰レースである「SUPER GT」のGT300クラスに、NISMOのオフィシャルパートナーチームとして引き続き挑む。

2シーズン目となる、2025年は体制を一部変更。チーム代表である平木湧也が第1ドライバーを務め、第2ドライバーに平木玲次が昇格。2021年以来の“純”兄弟コンビで臨むことになった。監督として引き続き福山英朗が采配を揮う。

マシンはもちろん、レースで勝つための車、NISSAN GT-R NISMO GT3で、信頼と実績のタイヤ、横浜ゴムとの強力なパッケージで全8戦を戦っていく。

スポーツランドSUGOが舞台の前大会では、予選で今季初のQ1突破を果たすも、天候の読みを誤ってQ2に残されたタイヤがマッチせず。18番手とはなったものの、決勝では身上とする粘り強さで、大クラッシュもあって赤旗も出された波乱の展開の中、10位となって、これまた今季初のトップ10フィニッシュを果たしている。

シリーズ第7戦が行われるオートポリスは標高800mの高地に位置し、ターボ車に有利な側面も持つ。昨年は悪天候で一発勝負となった予選で10番手となり、かつて参戦していたスーパー耐久では、2022年に総合優勝の経験も。HELM MOTORSPORTS GT-Rとは、相性の良いサーキットと言ってもいいだろう。4戦連続のポイント獲得で、右肩上がりの状況にあっては、まさにうってつけの舞台となってくれそうだ。

今大会はサクセスウェイト半減の一戦であり、条件は全チームに共通するものの、前大会とほぼ変わらぬ14kgで挑めることで、勢いを保ったままであることが期待される。

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QUALIFYING【公式予選】2025年10月18日(土)
【天気】曇りのち雨 【路面状況】ドライ~ウェット
Q1:
平木湧也/1分46秒206(グループB/13番手)
総合結果:
26番手
Q1: 平木湧也/ 1分46秒206 (グループB/13番手)
総合結果: 26番手

公式予選日の最初のセッションとなる公式練習は、前日に続き晴れ模様。ただし雲はいくらか多めで、午後には天候が崩れる予報も出ていた。9時25分に公式練習がスタートすると、HELM MOTORSPORTS GT-Rは平木湧也のドライブで走行を開始。今大会に向けて、チームはモビリティリゾートもてぎで行われた、GTエントラント協会主催の合同テストの内容などを基にマシンのセットアップを施し、タイヤをチョイス。コース特性の異なるオートポリスでどれだけの力を発揮できるのか、まずはその感触を確かめに行く。

ところが、ドライバーの平木湧也から、ブレーキに関する違和感が訴えられる。チームはすぐにピットへと戻し、ブレーキまわりを確認。対策を行って再びコースへと送り出した。そこからは1分47秒~48秒台のタイムを刻んでいくが、セッション開始から45分ほど経ったところで、再びブレーキまわりにトラブルが発生。平木湧也はコースサイドの芝生に車両を停め、セッションは赤旗中断となる。

幸い、クラッシュではなかったため、早々にピットに戻された後はトラブルシューティングに努め、1時間弱で走行再開がかなったものの、車両確認ができる練習時間を大幅に削られることに。結局、このセッションは1分47秒282がベストタイムで、GT300クラス最下位の27番手という結果になった。その後、サーキットサファリも行われ、チームはこの時間も使って予選に向けた車両セットアップを確認。また公式練習の時間にはドライブできなかった平木玲次も、この時間にはマシンに乗り込み、フィーリングを確認した。

公式予選開始前に、一時的に雨は降ったものの、GT300クラスのQ1セッションはほぼドライコンディションでスタートした。HELM MOTORSPORTS GT-Rは平木湧也の担当でB組の出走だったが、その前に行われたA組予選でトラブルに見舞われた車両があり、セッションは定刻から15分遅れでのスタートに。開始間際に雨粒が落ちてきたが、多くの車両がドライタイヤを選択。結果的に水しぶきを上げるほどの雨量ではなく、アクシデントなくセッションが続けられた。

平木湧也は計測3周目に1分46秒206をマーク。翌周のセクター1、セクター2とタイムを削っていたが、セクター3で伸び悩み1分46秒291と、わずかに自己ベストに届かず、チェッカーを受ける。この時点では12番手タイムとなっていたが、その後1台がこれを上回ったことで結果は13位となり、Q2進出ならず。総合結果では26位。HELM MOTORSPORTS GT-Rは、後方グリッドからの追い上げを目指す。

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QF
COMMENTS

  • DRIVERHIRAKI
    YUYA

    フリー走行でトラブルが出てしまい、セッションの大部分を走れずに過ごすことになってしまいました。タイヤのマッチングもうまくいかず、今回セット変更してきたものについても評価ができない状態で予選に挑むことになったのはタフでしたし、残念です。決勝に向けては、正直に言うと、できればタイヤで差が生まれにくいウェットコンディションでレースができるといいなという思いはありますが……。どんな状況でも、なんとか前に進むだけなので、頑張ります。

    平木湧也
  • DRIVERHIRAKI
    REIJI

    フリー走行でのトラブルで、僕はその時間帯は走ることができませんでした。修復も終わって、ようやく走れたのはサーキットサファリのタイミングで、そこも2周ほどだったので、今日のクルマがどんなポテンシャルだったのか、実際にはつかみ切れていないところがあります。湧也も苦しい予選だったと思いますが、ここから這い上がっていけるよう、決勝はチーム一丸で戦っていきたいと思います。

    平木玲次
  • DIRECTORFUKUYAMA
    HIDEO

    公式練習中のトラブルで絶対的に周回数が少なかったですね。ドライバーにはタフな状況になりましたが、対応力の高いふたりですから、そのあたりは信頼して見ていました。トップタイムのチームと、うちとのタイム差はおよそ2秒弱。このタイム差は、これまでのレースとそれほど大きく変わらないのですが、今回はその2秒弱の間に他のマシンがたくさん入ってきて、うちは取り残されたかのような気がしています。オートポリスに向けて、攻めの姿勢でタイヤ選択をしましたが、結果的にはスタンダードな選択をしたチームに負けてしまったということかなと。うちはチームとして2年目、まだまだ経験を積んでいく必要がある中で、難しい1日になってしまいました。明日はウェットレースになってくれれば、これまで経験のあるレインタイヤを履けるし、ドライバーの腕の見せどころという戦いになります。チームのみんなを感動させてくれるような走りを期待するし、その走りを見てメカニックのみんなも負けられないっていう気持ちになって、高いレベルで戦えるようにしたいですね。

    福山英朗

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RACE【決勝レース】2025年10月19日(日)
【天気】曇り 【路面状況】ドライ
13位

決勝日も曇り空が広がったオートポリスだが、九州でのGTレース開催は年に一度ということもあり、この日は16,000人のモータースポーツファンが詰めかけた。予選でクラッシュした車両が決勝レースを欠場することとなり、HELM MOTORSPORTS GT-Rはクラス25番グリッドからのスタートに。

スタートドライバーを務めた平木湧也は、オープニングラップの大渋滞の中で早々に2台をかわしてポジションを上げると、さらに1台がペナルティ消化のためにピットに向かい、7周目には22番手まで順位を上げる。前を行く1台との戦いは、なかなかオーバーテイクのチャンスには恵まれないが、平木湧也はペースを乱すことなく周回を重ねていく。

20周目、ついにその1台をかわしてさらに順位を上げると、上位陣では早めのピット作業を選択するチームが現れ、さらに1台、また1台と戦列から離れることでHELM MOTORSPORTS GT-Rは見た目の順位が上がっていく。レースが約1時間を経過したところ、8番手まで上がった31周目に1度目のタイヤ交換と給油作業のためにピットイン。ドライバーも平木玲次に交代し、第2スティントへと向かった。

暫定21番手で始まった第2スティントだが、各車のピット作業が終わって順位が整理されると、HELM MOTORSPORTS GT-Rは18番手に浮上。3時間のレースを3スティントで均等に割るならば、次のピット作業は2時間を経過したところになるが、予定よりも早くそのタイミングは訪れた。GT300車両が1台、ホームストレートを走行中にタイヤトラブルが発生し、ピットロード出口付近でストップしたのだ。これによりレースにはフルコースイエロー(FCY)あるいはセーフティカー(SC)が出ることを見越して、いくつかのチームは早めのピットインを選択。HELM MOTORSPORTSも同様に、すぐさま平木玲次をピットへ呼び戻す。

ところが、前を走るライバル車両も同じタイミングでピットロードに向かい、なんとHELM MOTORSPORTS GT-Rのピット位置にストップしてしまったのだ。奇しくもこの車両とは、ピット位置が隣同士。相手のミスに巻き込まれる形で大幅にタイムロスしたばかりか、このタイミングでタイヤ交換と給油を行えないまま、ピットロードを通過せざるを得ず……。

その後、残り時間が1時間を示すあたりでもう一度ピットに向かい、タイヤ交換と給油を行った。定石よりも1回多くピットに入らなくてはならなくなったHELM MOTORSPORTS GT-Rは、またしても後方に下がることとなったものの、トラブルやアクシデントによって離脱する車両が出たことで、ポジションは次第にアップ。もちろん自らも上位陣に引けを取らないラップタイムを並べ、この日のパフォーマンスの高さを示して見せた。

残念ながら、ひとつ前のポジションを走る車両とは大きなギャップがあったため、追いつくことはできなかったが最後は13位でチェッカー。今回もシリーズポイント獲得位置まで挽回の戦いを見せた。

第7戦を終え、HELM MOTORSPORTSは第3戦から5大会連続でポイントを獲得し、ドライバーランキング22位。チームランキングではリタイアとなった、第2戦を除くレースでポイントを獲得していることから、19位につけている。

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COMMENTS

  • DRIVERHIRAKI
    YUYA

    僕のスティントでは前のマシンに詰まってしまって、全然タイムを伸ばせませんでしたが、まわりに対して少しタイミングをずらしてピットに入ったことで、玲次はクリアな場所で走ることができ、その時のペースは非常に良かったです。今日に向けたセット変更が良かったのだと考えています。パフォーマンスを出せたという部分はいいことですが、やはり予選。フリー走行でのトラブルや、ミスがなければもう少しいいところに行けるのではという手応えはあるので、最終戦のもてぎは地元での戦いですし、何とか今季ベストリザルトに持って行きたいです。

    平木湧也
  • DRIVERHIRAKI
    REIJI

    決勝を見据えたセットアップはとてもしっくりと来ていて、ラップタイムを落とさずに走れました。ピットインのタイミングで混乱があり、大幅にロスしてしまいましたが、ペース自体が良かったのでそこからもリカバリーができ、クルマに対する収穫がとてもあったレースになったと思っています。今まで使ったことのないスペックのタイヤでの挑戦でしたが、それがうまくはまりました。この戦闘力があったので、本音を言えばもっと上に行きたかったですが、週末を通してトラブルやハプニングなどがあった中、ここまで挽回できたことはすごいと思います。確実にプラスになるものはあったので、これを手に戦う地元でのシーズン最終戦は、自分たちにとってベストのレースにできるよう頑張ります。

    平木玲次
  • DIRECTORFUKUYAMA
    HIDEO

    FCYが入ると予想してピットに飛び込んだら、別のチームのクルマがうちのピットの前に止まってしまって、作業ができないという事態が起き、そこで数十秒のロスが生まれてしまいました。そのロスがなかったら12位とのギャップはもっと小さかったでしょうし、展開も変わっていたかもしれないと思うと残念です。ただレース中、タイミングによってファステストラップを記録できていたことは、自分たちのポテンシャルを示せたと思います。予選は反省点が多く残る結果でしたが、決勝は自分たちのやってきたことが間違いなかったというところを見せられたと思います。最終戦はシーズンの集大成を見せたいですね。

    福山英朗

NEXT RACE

SUPER GTは、いよいよ次回が最終戦となります。11月1~2日に行われ、舞台となるのはモビリティリゾートもてぎ。そう、HELM MOTORSPORTSのホームコースです! 大応援団もいらっしゃいます。恥ずかしいところは見せられません。日頃の応援、支援に応えるためにも、必ず結果を残します。チームやドライバーだけでなく、皆さんとも気持ちよくシーズンを終えるためにも、大活躍をご期待ください!

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