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「今できることに全力を」HELM MOTORSPORTS 佐藤が語る、レースの現場で掴んだ“やりがい”
【Human of HELM 新卒若手メカニック・インタビュー】 
地元・茨城のチームという縁に導かれ、2025年4月にHELM MOTORSPORTSへ入社したメカニックの佐藤 22歳。幼少期に映画『トラック野郎』に憧れ、やがてスーパーGTのメカニックの姿に衝撃を受けた少年は、今、憧れの舞台で最前線に立っています。入社から1年、F4のメンテナンスを中心に多忙な日々を送る彼に、仕事への向き合い方やチームの魅力を聞きました。
「トラック」から「レースの世界」へ。衝撃を受けた中高生時代 
——メカニックを志したきっかけを教えてください。
佐藤: 最初のきっかけは、古い映画の『トラック野郎』を見てトラックや大きな乗り物が好きになったことでした。その後、テレビでスーパーGTの特集を見て、目にも止まらぬ速さでタイヤ交換をするメカニックたちの姿に「これだ!かっこいい!」と衝撃を受けたんです。中学生から高校生くらいの頃には「自分もこういう仕事がしたい」という目標に決まっていました。
——ドライバーではなく、最初からメカニック志望だったのですか?
佐藤: そうですね。不思議と「乗りたい」というよりは「触りたい」という気持ちが強かったです。マシンを操作するよりもエンジンとか特定の部位というよりも、マシン全体に関わって、自分でメンテナンスしたり、そういうことをやりたいと思っていました。叔父が整備工場を経営していたり、従兄弟も整備士だったりと、身近にメカニックがいた環境も影響していたのかもしれません。
その後、工業高校から3年制の自動車専門学校へ進みました。最初の2年間で2級整備士の資格を取得して、最後の1年は「スーパー耐久(S耐)」に参戦するチームのマシンを学校で先生と学生の皆で一緒に整備をして、自分たちでサーキットに持っていき、走らせるというプロジェクトに参加しました。実際に自分たちでマシンをメンテナンスしてサーキットで走らせる経験を積んだことでタイヤ交換やボルト締めのコツといった基礎が、今の現場でも大きな糧になっています。
地元の憧れ「HELM」への入社。想像を超えた“風通しの良さ” 
——数あるチームの中で、なぜHELM MOTORSPORTSを選んだのでしょうか?
佐藤: 私は茨城県出身なので、地元・水戸のチームであるHELMには勝手に親近感を抱いていました。「地元のチームで仕事ができるなら、それが一番だ」と思って入社を決意しました。SUPER GTにHELMが参戦し始めた頃から注目していて、就職先を考えた時に、やっぱり最初に浮かんだのはHELMでした。
——実際のチームの雰囲気はどうですか?
佐藤: 入社前は、プロの現場はもっとピリピリして喋りかけにくい雰囲気だと思っていたのですが、実際に入ってみたらそのイメージはガラッと変わりました。代表である湧也さん、そしてドライバーの玲次さん、そしてチームスタッフの皆さんとの距離がすごく近くて、とてもやりやすい環境です。オンとオフがはっきりしていて、「やるときはやる、休むときは休む」というメリハリがあります。チームによっては「新人は1年目、ほとんど車を触らせてもらえない」という厳しい話も耳にしたこともありますが、HELMでは「ここまでやらせてくれるの?」というくらい、早い段階から実践的な仕事を任せてもらえています。
――HELM MOTORSPORTSの魅力をひとことで言うと、何になりますか。
佐藤: とにかく楽しいことですね。そこが一番です。
――その“楽しい”というのは、どんなところから来ているんでしょうか。
佐藤: 難しいんですけど、マシンを触っている時間も楽しいですし、仕事全体として楽しいです。
もちろん緊張するときはあります。でも、楽しくやらせてもらっているなという実感があります。他の人の話を聞いていても、結構やりやすいチームなんじゃないかなと思います。
「走りきって当たり前」というプロのプレッシャーと喜び 
——現在、具体的には今、どのような業務を担当されていますか?
佐藤: 主にF4のメンテナンスです。工場ではギアの点検やブレーキ周りのチェックなど、消耗品の管理から組み上げまでを2人の社員で行います。レースウィークになればサーキットへ行き、ガソリン補給やタイヤの内圧調整、暖気、そしてドライバーからのフィードバックに応じたセットアップ変更などを行います。
——仕事としてレースに携わるようになり、学生時代と感覚の変化はありましたか?
佐藤: 全然違いますね。学生の頃は「無事に走りきった」というだけで達成感がありましたが、仕事となると「走りきって当たり前」。何もトラブルがないことが前提なので、評価に繋げるのが難しい世界だと感じます。だからこそ、マシンの調子が良く、ドライバーが表彰台に乗ってくれた時の喜びは格別ですね。チームみんなで爆発するように喜べる瞬間が、一番のやりがいです。
――この1年で、大変だったことや印象に残っていることはありますか。
佐藤: やっぱりサーキットでトラブルが起きたときは大きな勉強になります。
一度クラッチが張り付いてしまったことがあって、そのときに先輩と一緒に対応したんですが、「こういうやり方もあるんだ」「こうやったら早いんだ」と、すごく学ぶことが多かったです。
積極性が自分を育てる。未来のメカニックへのアドバイス

——現場で大切にしている姿勢を教えてください。
佐藤: 「主体的に聞きに行くこと」です。わからないまま作業を進めるのは事故に直結します。自分から情報を取りに行かないと成長できない環境なので、極力、先輩方に食らいついて質問するようにしています。
――学生時代にやっていてよかったことは何でしょうか。
佐藤: やっぱり、積極的にいろいろ触っていたことですね。自分はもともと好きで好きでしょうがなかったので、放課後に残って先生と一緒に作業したり、どんどんメンテナンスをやらせてもらったりしていました。
そうやって「触る」ことをたくさんやっていたのは、今につながっていると思います。
——これからメカニックを目指す学生たちへ、メッセージをお願いします。
佐藤: 今、自分ができることを全力でやることが大事だと思います。自分もまだできないことが多いですが、だからこそ積み込みや荷下ろしなど、自分にできることは誰よりも積極的にやるように心がけています。
あとは、学生のうちにカートでもいいので「自分で運転する経験」をしておけばよかったな、とも思います。ドライバーの言う「アンダー」や「オーバー」といった感覚を、自分の体感として理解できていれば、メカニックとしての引き出しがもっと早く増えたはず。とにかく積極的に、いろんなことをやったほうがいいと思います。学校のプログラムだけじゃなくて、自分から動いて現場に行ったり、見たり、触ったり。
そういう経験は、きっと自分の肥やしになると思います。
今回の取材を終えて
佐藤氏のインタビューから伝わってきたのは、メカニックという仕事に対する純粋な「楽しさ」と、プロとしての自覚でした。若手にチャンスを与え、成長を支えるHELM MOTORSPORTSの文化が、次世代のメカニックを力強く育んでいることを強く感じるインタビューとなりました。









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